カーコーティングは車を汚れにくくし、ボディの塗装を守る役割があります。
コーティング性能を十分に発揮させるには、施工前に下地処理をしないといけません。
下地処理ではどのようなことを行えばいいのでしょうか？
この記事で下地処理が必要な理由と、何を行うかご紹介します。

コーティング前に下地処理が必要な理由

下地処理では車に付着した汚れを洗って取り除きます。
新車をコーティングする場合は必要ないですが、買ってから時間が経っている車ではコーティング前に下地処理は必要です。

下地処理を行わずコーティングすると、コーティング被膜がボディに付着した汚れを包み込みます。
洗っても被膜で固定した汚れは落ちないので、長い期間汚れを付着させたままになるのです。

また汚れが付いたまま施工すると、コーティング被膜がボディに密着しにくくなります。
下地処理を行いボディ表面の汚れを落とすと、コーティング被膜が馴染みやすくなりコーティングの性能を十分に発揮してくれます。

そしてコーティングのムラができにくくするのも目的です。
下地処理せずコーティングすると、剥がれやすくなるので自然とコーティングが剥がれる場合もあります。

下地処理で落とす汚れの種類

車には様々な汚れが付着し、季節特有の汚れもつきます。
ここでは下地処理でどんな汚れを落とすのかご紹介します。

無機汚れ

無機質の汚れであり、イオンデポジットやウォータースポット、タールピッチなどです。
塗装面にがっちり固着するので、専用の洗剤を使わないと落とせません。
水垢が付着し長い時間が経過すると、洗剤で落ちないこともあります。
洗剤で落ちないとなれば、磨いて落とすしかありません。
研磨剤やコンパウンドを使って磨いていきましょう。
ただし磨きすぎると、塗装も剥がしてしまうので注意してください。

有機汚れ

鳥の糞や虫の死骸などが有機汚れです。
油を多く含むので、カーシャンプーで洗い流した後に脱脂剤で取り除きます。
有機汚れが付着し雨が降ると、黒いシミのような液垂れが発生し線のような汚れができます。

このような汚れはシャンプーで洗っても落ちない場合もあるので、取れないならばコンパウンドのようなもので磨いて落としましょう。
有機汚れは酸性の汚れであるために、放置すると塗装にダメージを与え、更に放置するとサビが発生します。

季節や地域特有の汚れ

雪の降る地域では、埃や汚れの混ざった雪が車に付着することがあります。
そんな雪を放置すると水垢になる場合も。
雪の降らない地域でも、埃や汚れが舞い上がり、発生した霧に混ざり車に付着し水垢を作るときもあります。

春になると空気中に漂うのが、花粉や黄砂、PM2.5です。
花粉が車に付着したまま放置すると、ペクチンという物質が塗装を傷めます。
黄砂やPM2.5は硬い微粒子が含まれるので、車に付着後に放置すると固着します。
無理に剥がそうとすると塗装を傷めます。
これらの汚れは、付着していると気がついても、急いで拭き取るとボディを傷つけるので止めましょう。
取り除くときはまずは水を沢山流して、汚れを柔らかくしてから洗い流します。

海の近くに住んでいる方や、海岸沿いで車を走らせる方は、塩害に注意してください。
海水は塩分を含み、潮風によって車に塩分が付着しサビを発生させます。
もしも海沿いを走ったならば、軽く水洗いして車に付着した塩分を洗い流しておきましょう。

下地処理を失敗しないポイント

下地処理を失敗せず行うポイントは以下の2つです。

・傷や汚れを残さない
・コンパウンドで磨くときは注意する

傷や汚れを正しく処理

傷や汚れが残ったままだと、コーティングしても剥がれやすく性能を十分に発揮できません。
下地処理で傷を直し汚れを落とすときは、最初にどんな傷や汚れがあるのか確認してください。
そして傷や汚れの種類に応じて、適切に処理していきます。

中には自分で直せない傷や落とせない汚れもあるので、そんな場合は業者に下地処理とコーティングを依頼するのも1つの方法です。

傷をつけずにコンパウンドで磨く

落ちない汚れはコンパウンドで磨きますが、使う研磨剤や研磨方法を間違えると塗装を傷つけます。
コンパウンドは粒子の粗さで、細目や粗目などがあります。
粗目や中目は研磨力が強いので、素人は使わないようにしましょう。
汚れを磨いて落とすときは細目を使用し、仕上げは超細目で行います。

業者に依頼する

もしも下地処理が上手くできない、コーティングを失敗なく行う自信がない方は、業者に依頼するのも1つの方法です。
プロのノウハウと経験で、下地処理から行ってくれて、コーティング性能を十二分に発揮するよう施工してくれます。
コーティングにはいくつか種類がありますが、おすすめは長持ちするガラスコーティングです。

まとめ

コーティング性能を十分に発揮させるには、施工する前の下地処理が重要です。
下地処理では汚れと傷を取り除いた状態にして、そこにコーティングを施します。
汚れには種類があるので、それぞれの種類に応じた洗い方で綺麗にします。
汚れがあるままコーティングすると、コーティングが剥がれやすくなり性能が十分に発揮できません。
もしも下地処理に自信がない方は、専門業者に下地処理とコーティングを依頼してください。