車を保有する人は必ずしも車庫付きの一戸建てに住んでいるわけではなく、マンションやアパート暮らしで賃貸の駐車スペースを借りている場合も多いでしょう。これら集合住宅の多くでは洗車が禁止されていますが、その理由を知りたいという人も多いのではないでしょうか。
今回はマンションやアパートで洗車がNGとされる理由に加え、その場合手軽に車をきれいにする方法も併せ詳しく解説します。
マンション・アパートの敷地内での洗車がNGな理由
マンションやアパートには多くの世帯が入居しており、生活のあらゆる場面でお互いに迷惑をかけないことが必須です。その考えが、敷地内の洗車を禁止する理由につながっています。
水の使用が規約上禁止されている
多くのマンションには水道栓のある共用スペースが設けられていますが、定められた用途以外で使用することが禁止されています。水場がペット用の足洗い場とされている場合は、子どもが外遊びした後に遊具や足を洗うことも厳密には認められません。
専用の洗車スペースがある住宅であれば洗車が認められますが、それ以外のマンションやアパートでは勝手に水道を使えないと考えておくべきです。
排水設備の構造上の問題から、共用スペースを洗車に使えないという理由もあります。各居室からの排水は生活排水として、下水道に流されたり浄化槽を経由して放流されたりします。一方共用スペースの排水は雨水を想定している場合が多く、処理がなされないまま流されることになります。
洗車に使うシャンプー成分は水質に配慮しているとは言えないため、環境面から言ってもマンションやアパートの共用スペースでは洗車できないと理解しておきましょう。
入居者同士のトラブル回避のため
マンションやアパートでの洗車が禁止されるのは、むしろトラブルを避けるというのが主な理由かもしれません。
基本的に洗車時には水を多用するため、どんなに気を付けていても水が飛び散ることが避けられません。そこに誰かが通りかかれば水がかかる可能性があり、水をかけられた方は不快感を覚えます。
直接の口論にならない場合でも、後々気まずくなってしまうことも考慮し、水を使う洗車は禁止されていると考えるのが適当でしょう。
水が飛び散らないからと水なし洗車をする人もいますが、バケツの水や汚れた雑巾などで迷惑をかけトラブルが生じることもあります。また水なし洗車は、車に洗車キズを付けるリスクが通常の洗車より高くなります。
これらを総合的に考えると、洗車専用のスペースがある物件でない限り、マンションやアパートでの洗車はできないと考えましょう。
敷地内でもできる車をきれいにする方法
水を使うかどうかに関わらずアパートやマンションの敷地内で洗車するのは基本的に避け、別角度から車をきれいに保つ方法を考えましょう。視点を変えれば「汚れなければ洗車は不要」とも言えるので、考えられる方法をいくつか紹介します。
屋根付き駐車場のある物件を選ぶ
マンションは1階部分を駐車場として建築している物件が多く、アパートでも屋根付き駐車場付きの物件があります。
物件数には限りがあり、全ての入居世帯が借りられるとは限りませんが、車をきれいに保つという意味では、引っ越しを検討する際に「屋根付き駐車場」という条件を加えるという選択肢は有効です。
カバーをかけてボディを保護する
青空駐車場を利用する人は、汚れを防ぐためにボディカバーを使うことも検討してはいかがでしょうか。物理的にボディを覆うので、屋根付き駐車場と同様雨風をしのぐことができます。
ただし脱着の手間がかかる点やキズが付かないよう注意する必要がある点などがデメリットで、頻繁に車を使う人にとっては不便な手段かもしれません。
定期的なコーティングで保護する
保管場所のいかんに関わらず、車をきれいに保つためにはボディへのコーティング加工が極めて効果的な手段です。
ボディの塗装面は目に見えないくらい小さな凹凸があるのですが、コーティング剤により表面を平らにすることができます。汚れが引っかかって付着する可能性が低くなるだけでなく、ガラスのような光沢は見た目にもきれいです。
コーティング剤としては様々な商品が販売されており、予算に応じてDIYでの施工や専門業者への依頼などを選ぶことも可能です。
車のために住環境を変えるという選択肢も
アパートやマンション暮らしで洗車できないという前提に立てば、洗車好きな人は敢えて住まいを変えるということを考えてもよいでしょう。
特に駐車場付きの一戸建てであれば、洗車時に想定される近隣とのトラブルも極力減らすことができます。時間を気にする必要もないので、自分で徹底的に洗車したい人はストレスを感じずにすむというメリットがあります。
誰にでもできる方法ではありませんが、とことん車にこだわる人は検討する価値があるのではないでしょうか。
まとめ
マンションやアパートなどの集合住宅は近隣とのトラブルが発生しやすいため多くの点で気を遣い、特に迷惑をかけやすい洗車は避けるべきと考えておくようにしたいところです。
洗車の回数を減らす方法が複数ある中、コーティングはどんな駐車環境でも費用対効果の高い手段のひとつです。
自分でコーティングを施工することもできますが、スキルの高い専門業者であればより効果の高いコーティングをしてもらえます。
もちろん洗車を含めた下地処理の質も高いため、洗車ついでのコーティングもまたその逆も、マンションやアパート暮らしで車を使う人にはおすすめです。