車内はいつも掃除して悪臭の元になるものはないはずだけれど、なぜか酸っぱい臭い。
それ、車内に染みついた汗の臭いではありませんか?
目に見えなくても、汗はシートなどに染みついて悪臭を放ちます。
車内に広がるしつこい汗の臭いの除去法について解説します。
汗は車内のいたるところに染み付く
暑い季節、汗まみれのまま車に乗るのはよくあること。
エアコンの効いた快適な車内に入れば、汗もひいて気分がリフレッシュされますね。
でも、汗はその瞬間にも車内のいたるところに染みついていきます。
身体が密着するシートやシートベルト。
頭を支えるヘッドレストにステアリング。
汗を拭いたタオルやハンカチを後部席に置けば、身体が密着しなくても汗が染み込みます。
自分の汗の臭いって意外と気にならないもの。
また他の人の汗でもエアコンが効いているとそれほど臭うことはありません。
しかし車から降りた後、エアコンが切れて蒸れた車内になると汗の臭いが発生します。
染み付いた汗はすぐに掃除すれば除去できます。
でも、実際は汗がついていることも知らずに放置してしまうケースがほとんど。
目に見えないけれど、確実に不快な汗の臭いは強まっていくのです。
汗がいやな臭いを発する原因
いやな汗の臭いを除去するためには、汗が臭う原因を知っておいた方が効率よく作業できます。
汗は皮膚にある汗腺から出ます。
ここから出る汗は基本的に無味無臭。
わずかにミネラルやブドウ糖、尿素などが含まれています。
これらは皮膚の常在菌のエサになります。
皮膚には1cm四方に数十万個の細菌、約20種類が存在するといわれています。
普段、乾燥や病気から肌を守る大切な役目を担っている常用菌。
しかしエサが豊富になると増殖し、その際に脂肪酸のガスを発生させます。
これが汗の臭いの元。
サラサラの汗の場合、常在菌のエサとなる栄養分は多くありません。
でも、疲れていた時や体調の悪い時はベトベトの汗になりますよね。
これは消費できなかった栄養分が汗と一緒に流れ出るため。
ベトベトになるほど常在菌のエサは豊富になり、しかも皮膚に残るので増殖が進みます。
このベトベトの汗が多いほど、車内は汗臭くなります。
暑い季節は薄着になるのでシートなどに直接肌が触れなくても、臭いの元が染み付きます。
ドアを開けた瞬間、鼻をつく汗の臭いを感じたらすぐに除去のための清掃をしましょう。
重曹を使った汗の臭いの除去法
車内でしつこい汗の臭いを発しているのは主にシート。
とくにファブリック地は繊維が水分を吸収しやすいため、臭いがつきやすくなります。
ただし、合成皮革とか本皮仕様だからといって安心は禁物。
ホールド性が良い反面、通気性が悪くなるので汗をかきやすくなります。
合成皮革や本皮仕様でも縫い目や表面に汗が残れば車内は汗臭くなること必至。
シートから汗臭さを除去するためには掃除機で表面のホコリを吸い出すことから。
ホコリに含まれている雑菌も、汗を栄養分として増殖するので臭いの元。
背もたれと座面、その隙間やヘッドレストまでしっかりとホコリを吸い取りましょう。
次は重曹を使って表面の拭き取り。
重曹は弱アルカリ性なので臭いの元、脂肪酸のガスを除去するのに効果を発揮します。
水1Lに対して5gの重曹を混ぜてウェスに浸した後、固めに絞って表面を拭きます。
この重曹水は身体に密着するシートベルトにも有効。
ウェスでシートベルトを挟むようにして拭きましょう。
直接、手が触れるステアリングやドアのトリム、ヘッドレストなどもしっかり拭いてください。
最後はドアを全開放して風を通し、車内の空気を入れ替えながらシートを乾燥させましょう。
汗の臭いは車内清掃のプロに任せる
車のシート数が少なく、面積が小さければ清掃もあまり手がかかりません。
でも子供を乗せる機会が多いミニバンやアウトドアで活躍するSUVなどは大変。
しかも、こういった車種に限って汗の臭いが残ったりします。
カーショップでは悪臭用の消臭剤が数多く販売されています。
つい、車内清掃が面倒になると、この手の消臭剤を使ってしまいがち。
しかしこれらの消臭剤は臭いを消すだけで臭いの元まで解決してくれるわけではありません。
やがて時間の経過とともに汗臭さが復活してしまいます。
DIYでは臭いを消す作業に不安がある、あるいは作業する時間がない、という人もいるはず。
そんな人は車内クリーニングの専門業者に任せることをおすすめします。
車内クリーニングはメニューが豊富。
シートだけ、といった部分的な清掃から車内全般にいたるまで用意されています。
汗の臭いの元を断つだけならシートだけ。
ついでに車内を除菌、殺菌までするならフルコース。
予算に合わせてメニューを選べるのが嬉しいポイントですね。
なお、車内クリーニングは業者によって作業内容や料金が異なります。
予め複数業者のメニューと料金を見てから最適なところに決めるのが賢い選択方法。
しつこい汗の臭いを元から断って、爽やかな車内空間のカーライフを楽しみましょう。