車内を紫外線から守ったりプライバシーを保護するために役立つのがカーフィルム。
窓ガラスにアクセントがつくと車がシャープに見える効果もあります。
ただし、カーフィルムの種類や貼り方を間違えると車検に通らないこともあります。
カーフィルムの効果やメリット、注意点について解説します。
市販されているカーフィルムは多種多彩
カーフィルムとは、車内から窓ガラスに貼る粘着性の薄いフィルムのこと。
最近は後部窓ガラスやリアガラスをスモーク状にしている車が増えました。
これは一般的なガラスにコバルトなどの金属を混ぜてスモーク状にしたガラス。
太陽光の紫外線をカットしたり車外から車内が見えにくいなどの機能を持っています。
しかし、メーカー純正品なので紫外線カットは機能してもスモーク効果は薄くなりがち。
もっとスモークを濃くしたい、他の色にして個性的にしたい、という人は多くいます。
そんな要望に応えるのがカーフィルム。
市場に出回っているカーフィルムは多種多彩。
価格はピンからキリまであり、スモークの濃さや色も自由に選べます。
もちろん、スモークガラスより透明なノーマルガラスに貼れば高い効果が得られます。
カーフィルムのメリットとは?
カーフィルムを貼るメリットは紫外線カットやプライバシー保護などいろいろ。
ただし、これらの機能は最近の車であればほとんど備えています。
したがってカーフィルムを選ぶ時は純正の窓ガラスが持っている機能以上の効果を考えましょう。
そのひとつが色。
グレーやブラックだけでなくブルーやグリーン、中にはミラーレッドなど派手な色もあります。
ボディカラーとコーディネートすれば個性的なカスタマイズが可能になりますね。
それから濃さ。
カーフィルムの濃度を表す基準に透過率(または透過度)があります。
これは光がカーフィルムを通過する割合のこと。
透過率が高いほど薄くなり、低くなれば濃くなります。
カーフィルムの中には透過率0%と、まったく外が見えなくなるほど濃いタイプもあります。
機能面では紫外線カットだけでなく赤外線のカット率も調べましょう。
赤外線は熱源にも利用される太陽光の波長。
車内の温度を上げる原因でもあります。
赤外線のカット率を表示しているカーフィルムを選べば、車内温度の上昇を軽減できますね。
ダッシュボードやドアトリムなどの樹脂部分は熱に弱いことがウィークポイント。
赤外線カットのカーフィルムは室内装備の保護にも役立ちます。
カーフィルムを選ぶ時の注意点とは?
カーフィルムはフロントガラスを含めて、どの窓ガラスにも貼ることができます。
ただし運転席側と助手席側、フロントガラスは透過率が70%以上確保する必要があります。
これは道路運送車両法の保安基準で定められた数値。
この数値を下回ると車検に通りません。
では、透過率70%のカーフィルムであれば問題なし、と思うのは早計。
フロントガラスはノーマル状態でも透過率は100%ではありません。
車種によって違いますが、一般的な透過率は80%前後といわれています。
その上から70%のカーフィルムを貼ると透過率は50〜60%。
車検に通らないばかりか、視界が悪くなって運転に悪影響を及ぼします。
ただし、フロントガラスの透過率70%以上は上部20%より下。
上部20%だけ濃い色になっているカーフィルムは適合品となります。
また後部席やリアガラスに関しては透過率の規定はありません。
とはいえ、あまり濃いと後方視界の確保が難しくなります。
リアにドライブレコーダーをつけていると後方映像の映りも悪くなります。
安全性を考えた上でカーフィルムの種類を選んでください。
きれいな仕上がりを求めるならプロに任せる
カーフィルムは自分で貼ることができますが、手先が器用でもかなり大変な作業。
加えてマスキングテープやヒートガンなど専用の用具、工具が必要になります。
さらにカーフィルムの選び方にもリスクが潜んでいます。
安いからといって購入すると、粗悪品で窓ガラスと不適合だった、というのはよくあるケース。
貼っている最中に空気が入り、仕上がりが汚くなったという話も珍しくありません。
カーフィルムの貼り方に不安を覚える人、きれいに仕上げたい人はプロに任せた方が無難。
カーフィルムの施工業者に依頼するメリットはいろいろあります。
まずフィルムの種類を選べること。
サンプルが豊富なので、実際に車に合わせて色や濃度を確認することができます。
それから透過率を調べられること。
とくにフロントガラスに貼る場合は専用器具を使うので、車検に対する心配が要りません。
保証制度も嬉しいポイント。
貼り終わった後、しばらくして気泡が発生した、といった場合でも貼り直しをしてくれます。
ただし、これらのメリットは店舗によって異なります。
予めいくつかの店舗の施工内容や保証を比べ、信頼できるところへ依頼するのが賢い選択。
きれいな仕上がりのカーフィルムで快適かつスタイリッシュなカーライフを送りましょう。