汚れた車を急いできれいにしたい時、頼りになるのが洗車機。
新しい洗車機はシャンプーやコーティングなどメニューも豊富です。
でも肝心なのは車の汚れをどれだけ落としてきれいにしてくれるか、ということ。
洗車機の重要なパーツであるブラシの種類や特徴、洗車機の選び方について解説します。

古い洗車機を使うと車に傷がつく理由

ひと昔前は洗車機に入れると車に傷がつく、といわれていました。
実際、洗車機によっては塗装の被膜に細かな線、ヘアラインがつくことがありました。

原因は洗車機の回転するブラシ。
素材はプラスチックやナイロンです。
これらの素材はチリやホコリが付着しやすく、それらが高速回転でボディに接触します。
しかもブラシそのものが比較的硬い素材だから、どうしても傷がついてしまうわけですね。

現在、古い洗車機を除いてプラスチックやナイロンを使用している洗車機はありません。
したがって、できるだけ新しいタイプの洗車機を選ぶことが基準のひとつとなります。

最新式になるとボディ下にコート剤を噴霧したり時間を大幅に短縮したタイプなどがあります。
車が汚いけれど自分で洗車する暇がない、という時こそ最新式の洗車機を使いましょう。

洗車機ブラシの種類と特徴

洗車機のパーツで、直接ボディに触れるのがブラシ。
高速回転で汚れを落とす方法は変わりませんが、素材や形状は大きく変化しました。
現在、ブラシの主流となっているのは布ブラシとスポンジブラシです。
それぞれについて特徴を紹介します。

・布ブラシ

ブラシがフレアスカートを重ねたような円形状をしていたら布ブラシタイプです。
素材は耐久性のある不織布を使用しており、なかにはシルクを用いているところもあります。
特徴は素材が柔らかいのでほとんど傷がつくことはありません。

反面、その柔らかさからしつこい汚れは洗い残しができてしまうこともあります。
一時期、布がボディに巻きついたり繊維が残ったり、といったトラブルもありました。
しかし最新型は進化してそれらの点は改良されています。

・スポンジブラシ

ブラシは細くて長い短冊形をしており、それが円形状に重なっていたらスポンジブラシです。
素材は文字通り柔らかいスポンジですが、連なっていることで高い洗浄力を発揮します。
耐久性があることから布ブラシよりも普及しており、現在の洗車機の主流となっています。
もっとも新しいタイプはブルーやオレンジとグレーのツートンカラー。
この洗車機があったら選択肢の基準をクリアしていると考えて間違いありません。

・ゴムブラシ

プラスチックやナイロンのブラシの後継として使われていたのがゴムブラシ。
柔らかくなった分、傷はつきにくくなりましたが汚れが落ちにくいデメリットがありました。
ただし、現在まったくゴムブラシがなくなったわけではありません。
最近になってナイロンにゴムを配合させたリップブラシというタイプが登場しています。

なお、プロ施工によるガラスコーティング車は洗車機を使用する際、注意が必要です。
ガラスコーティング車のなかには洗車機使用不可の場合があります。
洗車機を使う前に、施工先へ必ず確認してください。

洗車機を使う時の注意点

洗車機はなんでもきれいにしてくれるわけではありません。
あくまでブラシでボディの汚れを落とすだけ。
しかも誤った使い方をすると車の損傷を招くこともあります。

とくに車に乗ったまま洗車できるドライブスルー式は注意が必要。
ドライブスルー式は使用する前、必ず注意点のアナウンスがあります。

たとえばサイドミラーやルーフアンテナ。
使用前に折りたたまないと回転するブラシの勢いで破損する場合があります。

それから窓。
よくあるケースは運転席や助手席の窓は閉まっていても後部の窓が少し開いていること。
洗車機が作動して水の侵入が分かっても後の祭りですね。

洗車機が終了しても洗車が完了したわけではありません。
ボディはまだ水滴がついている状態です。
これを放置するとウォータースポットやイオンデポジットの発生を招きます。
他の車の邪魔にならない位置に移動後、ボディの水滴を拭き取りましょう。

洗車機に不安を感じたらプロの手洗い洗車

洗車機不可のガラスコーティング車や未だ洗車機に不安を覚える人。
こういった人たちの場合、洗車はDIYに限られてしまうのでしょうか？
いいえ、そんなことはありません。
洗車機は使えなくても、プロによる手洗い洗車があります。
ガソリンスタンドやカーショップ、コーティング専門店などで利用できます。

特徴は人手によるボディや塗装にやさしい作業。
洗剤は専門のムースを使い、スポンジは使わずムートンで汚れを落とします。
仕上げは塗装を守る専用のクロス。
これなら安心して洗車を任せられるでしょう。
手洗い洗車のなかにはピッチ除去やホイール清掃を行ってくれるところもあります。

なお、メニューや料金は手洗い洗車の業者によって異なります。
予めいくつかの専門業者を選び、内容を比較してから決めましょう。
洗車機やプロの手洗い洗車を賢く利用して快適なカーライフを送ってください。