車は走っても、屋外に駐車していただけでも汚れます。
汚れる原因は大気のホコリやチリ、雨や風、有害物質などさまざま。
それらの中にはすぐに落とさないと塗装面や鋼板に悪影響を及ぼすものもあります。
車についた汚れで、すぐに落とした方がいい汚れの種類や落とし方を解説します。
車にダメージを与える種類の汚れ
大気中にはさまざまな汚れの因子が浮遊しています。
それらの中で、ホコリやチリ程度であれば車に大きな悪影響を与えることはありません。
厄介なのは油分や有害物質、塗装に傷を与える硬質な形状だったりする種類の汚れ。
とくに春先は花粉に黄砂と、車には嬉しくない季節ですね。
風に運ばれてくる花粉は外側に膜があり、この状態であればこびりつくことはありません。
しかし水分を含むと膜が破れ、ペクチンというタンパク質が排出されます。
粘り気があるため、塗装面にこびりつくとなかなか取れません。
ペクチンは乾くと収縮する特性があります。
塗装面にこびりついたまま収縮すると塗装表面を引っ張り、ダメージを与えてしまいます。
春先は天候が不安定な季節。
ボディに花粉がついたまま雨に降られ、その後に晴天が続くとペクチンは一気に乾燥。
花粉でボディが汚れた時は、すぐに汚れを落としてください。
花粉や黄砂は洗車の初動作業が大切
同じ風に運ばれてくる汚れの因子でもケタ違いなのが黄砂。
はるかユーラシア大陸のタクラマカンやゴビといった砂漠からやってくる砂粒。
数千メートルも巻き上げられ、偏西風に乗って日本へ飛来します。
たかが砂、と侮ってはいけません。
砂といっても硬い鉱物です。
いわばボディに紙やすりを乗っけているようなもの。
しかも雨が降ると水分を含んで粘土状になり、ボディにこびりつきます。
黄砂もすぐに落とした方がいい汚れですね。
花粉、黄砂ともにすぐ洗車すれば汚れを落とすことができます。
しかし、放置してこびりついた場合、どちらも洗車は初動作業が肝心。
花粉はペクチンが排出されて粘り強くなってしまいます。
しかしペクチンのウィークポイントは熱に弱いこと。
50℃前後のお湯を用意、ボンネットやルーフなど花粉の多い場所にかけてください。
その後は普段の洗車で汚れを落とすことができます。
黄砂の注意点は拭き取りをしないこと。
砂だから払えば落ちるだろう、と思うのは早計。
鉱物特有の細かい突起が塗装面の凹凸に食い込んでいます。
そのままの状態で払おうとすると塗装面に細かな傷がつく場合があります。
ベストな洗車は高圧洗浄機を使って黄砂を吹き飛ばす方法。
高圧洗浄機がない場合はできるだけホースから大量の水を強く噴射してください。
ある程度、黄砂を吹き飛ばした後は、花粉同様、普段通りの洗車で汚れを落とせます。
雪道を走った後も汚れはすぐに落とす
冬場、雪道を走行した後も早めの洗車が必要です。
とくに積雪地帯は要注意。
一般道路から高速道路まで白い粉が撒かれているのを見たことがある人、多いハズ。
これ、塩化カルシウムや塩化ナトリウムなどを主成分とした融雪剤です。
水は摂氏0℃で凍りますが、塩分が入ると凝固点降下の現象で氷や雪になりません。
融雪剤は道路の雪を溶かし、凍結を防ぐ役割があるので積雪地帯には欠かせない溶剤です。
しかし、雪と塩分は車の大敵。
雪道を走った後、洗車しなかったら錆が発生した、というケースが多々見られます。
塩分だけだと鉄は錆びません。
むしろ水だけの方が鉄を錆びさせます。
水に塩分が加わると錆びやすくなるのは潮解が理由。
潮解とは個体が水分を吸って溶ける現象のことで、塩分には潮解の特性があります。
雪が溶けてボディから落ちてもボディに塩分が残っていれば潮解が起きます。
融雪剤が撒かれた道路を走った後は、すぐに汚れを落としましょう。
ちなみにこの潮解は海沿いの道を走った後にも起きやすい現象です。
潮風がボディに付着した後も、すぐに汚れを落とした方が賢明です。
汚れをすぐに落とすなら洗車のプロに任せる
雨は大気中を通過して降ってきます。
これ、当たり前の話ですが、意外と気がついていないのが大気中の汚れを含んでいること。
大気中にはホコリやチリだけでなくPM2.5など有害物質が多く漂っています。
これらの有害物質が雨と一緒にボディに降り注ぐのですから、雨上がりに汚れるのは当然。
雨の日に走らなくても、雨水の溜まったところを走行すれば車の下部が汚れます。
このように汚れ方を見ると、車は1年中、過酷な状況下に置かれているといえますね。
愛車を長く乗るためにも、汚れたらすぐに洗車したいのはオーナー誰しも共通の想い。
しかし、いつでも洗車できる時間と手間があるとは限りません。
また洗車したつもりでも見えにくいところに汚れが残っている場合があります。
時間と手間を省きながらも洗車は完璧にしたい、と考えるならプロに任せるのが最善策。
ガソリンスタンドやカーショップなどだけでなく、洗車を専門に扱っている業者もいます。
洗車のプロに任せるメリットはボディに優しい手洗いであること。
加えてムートンなど専用の道具が揃っており、高いスキルで徹底的に行うことです。
業者によって料金や内容が若干異なるので、いくつかの業者を調べてから依頼しましょう。
車に悪影響を与える汚れはすぐに落として、ピカピカの愛車でカーライフを送ってください。