車のコーティングにはボディを保護するという最大の目的があり、コーティング剤が作る被膜が表面を覆っています。
古い車では塗装が経年劣化していますが、中古車オーナーや新車を買って何年も経ったオーナーの中には、「古い車にもコーティングをした方がいいのだろうか」と考える人もいるのではないでしょうか。
この記事ではそのような疑問にこたえるため、コーティングのメリットを改めておさらいするとともに、古い車にもコーティングは有効なのかという点を詳しく解説します。
車をコーティング加工することのメリットや効果
コーティングと古い車との相性を述べる前に、コーティングの詳細を確認しましょう。
コーティング剤には樹脂系やガラス系など様々なものが使い分けられていますが、ボディの塗装表面をコーティング被膜が覆うことで、以下のような効果をもたらします。
ボディの塗装面を美しくする
コーティング加工するメリットのひとつに、塗装面に光沢を与えることで美しく見せるというものがあります。
人の感覚ではわかりませんが、車の塗装面は意外に凹凸があるといわれています。コーティングで形成される被膜が凹凸を平滑化するため、表面の見た目が美しくなります。新車の場合はその状態を保つことになり、旧車は劣化した塗装が蘇るという効果が生じます。
油脂系コーティングに分類されることがある普通のワックスは短期間で効果が薄くなってしまいますが、ポリマーなど樹脂系のコーティング剤は数カ月効果が持続します。
またプロが施工するガラスコーティングになると、半年から1年以上にわたり効果を発揮するものがあり、その間透明な被膜が光沢を出しきれいに保つことができます。
ボディを保護しキズや汚れを着きにくくする
コーティングが表面に光沢を出すというのは副産物で、本来の目的はボディ表面を保護することといえます。
コーティングをすることでボディに被膜が形成されますが、この被膜が水や汚れを着きにくくします。また砂やホコリが付着してもキズが着くのはコーティング層のため、塗装面を傷つけることを予防してくれます。
古い車の場合はコーティングがそれ以上の劣化を防ぎ、コーティングが塗装面の凹凸を埋める形になるため、結果として塗装面に光沢感を与えることにつながっています。
ボディの手入れをしやすくする
コーティングはボディ表面を平滑化することで汚れが着きにくくなりますが、汚れた場合も簡単に洗い流せるようになります。汚れが乾く前であれば、流水をかけるだけで汚れを落とすことも可能です。
汚れが落ちやすいためシャンプーやスポンジを使う頻度が減り、洗車の負担が大幅に軽減されます。洗車の回数が少なくなればボディを擦る機会も減り、結果としてボディに対する負担もいっそう軽くなります。
ボディメンテナンスの面から見ても、コーティングの役割は非常に大きいということがわかります。
古い車にコーティングは必要か
古い車であってもコーティングは高い効果を示すというより、むしろ古い車の方がコーティングの必要性があると言うこともできます。前提として、コーティングが表面に被膜を形成する前に汚れやホコリ、シミをしっかり落とす必要がありますが、コーティング剤にクリーナー成分が含まれるものもあり、施工しながら下地を処理することができます。もちろんプロにガラスコーティングを依頼する場合は、素人ではできない下地処理を事前にしっかり行います。
ボディ保護の面だけでなく見た目の美しさが蘇るという点でも、古い車へのコーティングはおすすめできます。コーティングや事前の下地処理を行うことで、本来の色つやの復活も十分期待できます。
一方古い車の場合、オーナーや使い方によってはコーティングが必要ないこともあります。所有する古い車に愛着を持っている場合や希少性の高い車種の場合、コーティングはできるだけ施工しておきたいところです。
しかし単なるアシ車として乗り捨てることを想定する人やまもなく売却や廃車を予定する人にとって、コーティングにかける費用がデメリットに感じることも多々あります。
したがって古い車へのコーティング効果は高いですが、コーティング自体の必要性についてはケースバイケースと言わざるを得ません。古い車のオーナーは、個別の事情も考慮してコーティング施工の判断をするのがよいでしょう。
まとめ
ボディ表面にできる被膜が塗装面を保護するコーティングは古い車にも有効で、機能面ではむしろ新車よりも効果が高いとも言えます。
しかし実際に施工する場合は蓄積された汚れや色褪せをしっかりと除去しなければならず、中途半端な下地処理では十分な効果を発揮できません。コーティング施工をプロに依頼すれば、最大の効果を出すための下地処理も確実です。使用するコーティング剤は、DIYでは難しいガラスコーティングにも対応しています。
このように、コーティングをプロに依頼するメリットは多岐にわたります。新車はもちろんですが、古い車へのコーティングも、プロが手がける本格的なコーティングを検討しましょう。