レザーシートはハイクラスな車内装飾のひとつ。
しっとりとしていて滑らかな座り心地は快適な車内空間を演出してくれます。
しかし劣化してひび割れするとせっかくの高級感も半減。
レザーシートにひび割れができる原因と、その修理方法について解説します。
車のレザーシートにひびが入る原因
レザーシートの素材は本革。
素材は主に牛の皮ですが、動物の皮なので加工しなければ使えません。
なめし技術や染色、表面加工などを施すことによって車のシートに採用されるわけですね。
レザーシートのメリットは高級感だけではありません。
ファブリック地のような繊維構造ではないのでホコリが立ちにくく、また静電気も起きません。
反面、冬場は座った時にヒヤッとしたり表面の手入れが必要などデメリットもあります。
この手入れを怠ると、ひび割れが早く発生します。
レザーシートは表面をコーティング加工しています。
しかし、その被膜はとても薄いので手入れをしないと剥離してしまいます。
乗り降りの時の擦れや乗員の汗、皮脂汚れ、それから雨の日の水滴など。
これらがコーティングされていない本革にダメージを与えるとひび割れの原因となるのです。
レザーシートを長持ちさせる手入れ方法
レザーは一度、シワができると同じところにシワができる性質を持っています。
乗り降りでシートが変形した際、そのシワの部分からひび割れが発生します。
ひび割れが浅い状態であればDIYでの修復が可能です。
しかし、ひび割れを放置しておくと革の銀面(革本来の表面)まで達してしまいます。
白く毛羽立つようになるとDIYでの修復はほぼ不可能。
革の修復を行う専門業者に依頼しなければなりません。
そうなる前に、日頃からレザーシートの手入れを怠らないようにしましょう。
レザーシートの手入れ、といっても難しいことは何もありません。
まずは車内用掃除機でシートに落ちているゴミを吸い取ります。
これらの固形ゴミは身体や衣服に引きずられてシートを傷つける恐れがあります。
座面と背もたれの隙間もしっかり吸い取ってください。
次に水に濡らしたマイクロファイバークロスを硬く絞り、表面を拭き取ります。
基本的な手入れはこれだけ。
マイクロファイバークロスがあまりに汚れたらシート専用クリーナーで磨いてください。
レザーシート仕様の車はステアリングやシフトノブも本革を使っています。
シートの手入れと同時にこれらもきれいにしましょう。
なお、家庭のソファやコートなどに使う革製品用クリーナーは使用厳禁です。
これを使うと表面のコーティングを剥がしてしまう恐れがあります。
またレザーシートによっては特別な手入れが必要とするタイプもあります。
手入れのためのマニュアルが用意されているはずなので、その手順に従ってください。
レザーシートをDIYで修理する方法
レザーシートのひび割れDIY修理に必要なものは以下の通り。
・マスキングテープ
・400〜800番の細目サンドペーパー
・シリコンオフ(脱脂剤)
・革シート補修用塗料
・プラスチック製のヘラ
では、これらを使った修理の手順を説明します。
1. マスキングテープを貼る
レザーシートの修理箇所を中心に面積をやや広く取ってマスキングテープで囲みます。
これはシリコンオフの吹き過ぎや周囲との色の格差を防ぐためです。
2. サンドペーパーでひび割れ部分を擦る
サンドペーパーで表面のクリア塗装を剥がします。
クリア塗装が残っていると塗料のノリが悪くなり、仕上がりが汚くなります。
3. シリコンオフを吹きつける
サンドペーパーをかけた部分に軽くシリコンオフを吹きつけ、ウェスで伸ばしてください。
これも塗料を密着させるための大切な作業です。
ただし、ひび割れしていない部分は必ず避けること。
他の部分にシリコンオフがかかると色ムラが発生することがあります。
4. 塗料を塗る
革シート補修用塗料はできるだけレザーシートの色に合わせて選んでください。
水で薄めて使える塗料もあるので、どうしても色が違う場合は自分で調合しましょう。
ヘラに塗料を豆粒大取り、修理部分に薄く塗ります。
最初から厚く盛るように塗ってしまうと乾燥が遅くなり、仕上がりも雑になります。
最低でも5〜6回は重ね塗りしましょう。
塗料が乾燥したら完成です。
レザーシートのひび割れを予防する最善策
レザーシートのDIY修理はそれほど難しくありませんが、できれば修理しないのがベスト。
ひび割れを予防するならシートコーティングがおすすめです。
シートコーティングはカーショップなどでいろいろな種類が販売されています。
あまりに多くて、どれを選んだらいいのか迷ってしまいますよね。
購入したコーティング剤が思ったほどの効果を発揮しない場合もあるでしょう。
その点、プロが施工するレザーシートのコーティングには安定した効果や持続性があります。
プロ専用の溶剤や用具を使用するので仕上がりの美しさもメリットのひとつ。
DIYの不安を解消し、手間を省いて時間を節約するならプロに任せるのが最善策。
なお、シートコーティングの施工は専門業者によって方法や予算が異なります。
予め、いくつかの専門業者から説明を受けた後で、依頼先を決めましょう。
いつまでも鮮やかなツヤのレザーシートで快適なカーライフを楽しんでください。