一般的にガラスコーティングの寿命は「3~5年」と言われていますが、さまざまな原因で劣化し、3年も経たずに剥がれ落ちることが多くあります。
では、ガラスコーティングはどのような原因で剥がれてしまうのでしょうか。
この記事では、ガラスコーティングが剥がれる原因と剥がれた場合の対処法について説明します。
ガラスコーティングが剥がれる原因
ガラスコーティングが剥がれる原因には「コーティング剤の成分」「紫外線」「排気ガスに含まれる有害物質」「走行中にできる小傷」「メンテナンス不足」などがあります。
コーティング剤の成分
多くのコーティング剤の成分にはフッ素やシリコン、レジンなどの有機物質が含まれていますが、この有機物質が劣化してコーティングが剥がれる原因の1つとなります。
有機物質を含まない「完全無機質」のガラスコーティングをすれば良いことになりますが、現在流通しているものは該当しません。
「ガラスコーティング」と表記されているものも、完全無機質ではなく有機物質が含まれるので、正確には「ガラス系コーティング」に分類されるのです。
有機物質が含まれることがガラスコーティングが剥がれる原因となる理由は、有機物質が紫外線や排気ガスなどで分解されることで劣化が進んでしまうからです。
このような有機物質がコーティング剤の成分に含まれているのはなぜかと言うと、有機物質の存在によって、撥水効果やツヤ出しなどの効果を得ているからです。
劣化や剥がれることにつながってしまうものの、有機物質なしでは上記の効果を得られないのです。
紫外線
紫外線やガラスコーティングが剥がれる原因になります。
前述のようにコーティング剤に含まれている有機物質が分解されることでガラスコーティングを劣化させてしまうのです。
著しい劣化が一部だけでも、そこが原因で全体が剥がれることにつながります。
熱によるボディの高温化などもガラスコーティングが剥がれる原因となり、クリヤー層にも悪影響を与えるので、高温になるような場所では注意しましょう。
排気ガスに含まれる有害物質
コーティング剤に含まれている有機物質は、排気ガスや工場の煙などに含まれる有害物質が原因で劣化します。
排気ガスが多い高速道路、工場の煙が多い工業地帯をよく通る場合は、ガラスコーティングが劣化しやすいと考えられるので注意しましょう。
走行中にできる小傷
走行中の飛び石などがボディにぶつかってできる小傷もがガラスコーティングが剥がれることにつながります。
傷がついた箇所からコーティングと塗装の隙間に水が侵入し、その水が水蒸気になることで体積が増加、外に出られないためコーティングを割ってしまうのです。
耐久性がないコーティングや劣化が進んでいる場合、飛び石がぶつかっただけで剥がれてしまこともあります。
メンテナンス不足
「○年メンテナンス不要」といった謳い文句のものありますが、あれは同じような効果のあるコーティングやワックス、メンテナンスキットを使用したメンテナンスが不要という意味で、ガラスコーティングを施工していても洗車などは必要です。
ガラスコーティングには汚れがつきにくくなる効果がありますが、汚れがまったくつかないわけではありません。
付着した汚れを長期間放置していると塗装面の劣化につながるので、気がついたら早めに除去しましょう。
特に鳥の糞はコーティングにも塗装面にもダメージが大きいので要注意です。
その他、直接の原因ではないものの、洗車機の使用やコンパウンド入りのカーシャンプーの使用は、傷ができることでガラスコーティングが劣化していき、ガラスコーティングが剥がれることにもつながります。
ガラスコーティングが剥がれた場合の対処法
ガラスコーティングが一度剥がれてしまうと再生できないので、再施工しましょう。
小さな傷は、すぐにタッチペン等で応急処置をしておきましょう。
傷を塞いで塗装面を保護することで錆の発生や進行を予防できます。
再施工は、自分で施工し直すか専門業者へ依頼する方法があります。
自分で施工する(DIY)
市販されているコーティング剤を使用してDIYも可能ですが、ムラができたり汚れの上からコーティングしてしまうなど失敗する可能性があります。
除去できなくなることもあるので無理は禁物です。
何度も施工したことがあって慣れている場合は良いですが、完璧に施工するのは難しいです。
また、市販されているコーティング剤は、誰でも使いやすいように成分の質を落としているものが多いのです。
専門業者に頼む
費用は高額になりますが、専門業者へ依頼するのがベストです。
失敗の際は全て負担してもらえますし、失敗自体も少ないです。
DIYで失敗してから業者へ依頼すると、最初から業者へ依頼するよりも高くなることが多いので気をつけましょう。仕上がりもクオリティが高く、効果もしっかり発揮してくれます。