車に白く濁ったシミができてしまったことはありませんか。
それがイオンデポジットです。
イオンデポジットは、ガラスコーティングを施工していてもできてしまうものです。
今回は、ガラスコーティング上にイオンデポジットができてしまう理由や予防策について解説します。
イオンデポジットとは
イオンデポジットとは、白く濁ってこびりつく水垢で、輪っか状に見えることが多いです。
スケールや雨染み、水分シミ、単にシミなどとも呼ばれます。
イオンデポジットができる原因
イオンデポジットは、雨や夜露、洗車の際の水滴が塗装面に残り、それが汚れと混じって乾燥することで起きます。
雨は、花粉や黄砂、埃やちり、排気ガス(硫黄酸化物や窒素酸化物)などの不純物を含んでいます。
それが塗装面上に水滴として残ったまま蒸発すると、その不純物が固形化して残留し、さらにエンジンや太陽の熱などの影響で塗装面に定着していきます。
洗車の際に使用する水道水や地下水にもカルキや塩素、カルシウム、マグネシウムなどが含まれているため、同じことが起こります。
塗装面に汚れがある場合には、その汚れも含めて付着するため厄介なイオンデポジットとなります。
不純物の含まれてない純水が汚れのない塗装面で乾燥しても発生しません。
よく似たものにウォータースポットがあり、これはさらに水滴に太陽光線が当たりレンズ効果によって塗装面を陥没させてしまいます。
車にガラスコーティングをしてもイオンデポジットができるのはなぜか
汚れにくいといわれているガラスコーティングを施工していても、イオンデポジットはできてしまいます。
ガラスコーティングには有機物と無機物の2種類がありますが、有機物の多いコーティングは、ボディのダメージになりやすい太陽光・紫外線・熱に弱く、耐光性や耐熱性が劣るため、無機物のガラスコーティングのほうが効果が高いといわれていました。
ではなぜ、無機物のガラスコーティングにイオンデポジットができるのでしょうか。
それは、同じ無機物だからです。
無機物のガラスコーティングにはケイ素が使われており、ミネラルを多く含んでいます。
一方、雨に含まれている窒素酸化物や塩素、ナトリウムなどの重金属類も無機物で、ガラスコーティングのケイ素などと化学結合しやすいのです。
そこに雨が降って綺麗な水で洗って拭き取りなどをせずに放置していると、イオンデポジットができてしまいます。
有機物同士も同様で、同じ物質同士で結合しやすいのです。
有機物のコーティングには有機物の汚れがつきやすく、無機物のコーティングには無機物の汚れがつきやすくなるという特性があります。
車にガラスコーティングをしている場合のイオンデポジット予防策
ガラスコーティングは、前述した通りイオンデポジットができやすくイオンデポジットを完全に予防がすることはできないため、できたらすぐに除去してボディの傷みを最小限にしましょう。
予防につながることとしては、雨の日に走行中などに雨が当たったとわかっているときは、早めに洗車して拭き取っておくなど、「濡れたら拭き取る」を心がけることです。
保管場所が屋外の場合は屋内にするなど、水が付着しにくい環境にする工夫も予防につながります。
イオンデポジットが一番できやすいのが洗車時といわれていますが、イオンデポジットの原因になる汚れをまめに落としたほうが良いので、汚れが目立つ前に頻繁に洗車しておくと良いです。
ボディが温かいと拭き取り作業完了前に乾燥してしまう可能性が高くなるため、最初にしっかり水をかけてボディを冷やしておきましょう。
洗車中に乾燥してしまうとイオンデポジットができてしまいます。
暑い日や直射日光など洗車中に乾燥しやすい環境も避けて洗車しましょう。
日陰を選んだり、時間帯を朝や夕方以降などの日が出ていない、日差しが弱い時間を選ぶと良いです。
また、地下水はイオンデポジットの原因になるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含まれているので、洗車の際に地下水は使用しないようにしてください。
洗車場などで地下水を使用しているところもあるため、できればどんな水を使用しているか確認して、地下水を使用しているところは利用しないほうが良いです。
最後の拭き上げ作業は水滴が残らないように丁寧に拭き取りましょう。
積雪地域で道路に撒かれる凍結防止剤もイオンデポジットの原因になります。
凍結防止剤はアルカリの成分で、アルカリ性は塗装面に浸透する力が強く塗装面の内部にまで入り込んで悪影響及ぼす恐れが高くなります。
水道水よりも厄介なので、より注意が必要です。
雪道などを走ったあとは、早めに洗車しましょう。
簡単に落とせるものなら自分で洗車するなどで対応可能ですが、酷くなると落とすのが難しくなります。
そのようなときは無理せずに専門業者への相談するのがおすすめです。
ガラスコーティングを施工する際も、少しでもイオンデポジットができにくいものがないかなども相談してみると良いでしょう。