ボディやガラス、内装など車のあらゆるところに汚れが付着しますが、厄介なもののひとつとしてフロントガラスにつく油膜があります。
いったん油膜がついてしまうと様々な悪影響を及ぼしますが、実際の被害に遭遇する前にその内容はあらかじめ知っておきたいところです。
そこでこの記事では、フロントマスクの油膜はどんなものか、なぜ油膜がつくのかということも含め詳しく解説します。記事を読んで油膜をきれいに落とし、安全で快適なドライブをしましょう。
フロントガラスに油膜がつく原因とは
車のフロントガラスにつく油膜は、ボディや大気など様々なところに含まれる油分が付着することで生じます。
典型的なものとしてルーフにかけたワックス成分があり、効果が薄れるときはワックス成分がフロントガラスに流れ落ちてこびりつきます。また洗車機でワックス洗車をするときはボディ全体にワックスを流すため、フロントガラスにだけかけないというのは不可能です。
大気中に含まれる油分も、フロントガラスにつく油膜の原因となります。油分を含んだ排気ガスが大気に放出されるため、普通に走行するだけでも少しずつ油脂がつきます。
また渋滞や市街地での走行が多い車では排ガスの影響が大きく、特に油膜が付着しやすいといわれています。
意外な原因としては、ガラスに施工した撥水コーティングです。ガラスのコーティング剤や効果を持続させるためのウォッシャー液はシリコンが含まれるものが多く、シリコン成分が劣化することで油膜になります。撥水用のワイパーブレードにもシリコンが含まれるものがあり、定期的なメンテナンスを怠ると厄介な油膜に変わってしまうのです。
このようにフロントガラスの油膜は、乗っているだけでなく停めているだけでも付着が避けられないことがわかります。
油膜がつくとどのようになるか
フロントガラスに油膜が付着することで、運転にも様々な悪影響が加わります。
顕著な影響は、油膜により視界が悪化することです。特に雨の日や夜間などは油膜がギラギラするため、ワイパーの跡が残ったように見えたり外がにじんで見えたりします。視界が悪くなることで目が疲れ、運転時の大きな負担にもなります。
また油膜が付着するとフロントガラスの上でワイパーがひっかかり、スムーズに動かなくなります。
最も危険なのは自動ブレーキへの影響で、フロントガラス越しのセンサー検知が鈍くなるため正確に動作しなくなる状況になることも十分あり得ます。
フロントに油膜がついたままでは、安全な運転も望めません。次に説明する方法で、定期的にフロントガラスの油膜を落としましょう。
フロントガラスについた油膜の落とし方
フロントガラスにつく油膜の成分の多くはシリコンといわれており、スポンジを使い洗車しただけでは除去することができません。またウォッシャー液はガラス表面に軽く乗った砂やホコリを落とせますが、こびりついた油膜は落とせません。
油膜をきれいに落とすためには、原則として専用の油膜落としを使わなければなりません。市販の油膜落としにはコンパウンド成分が含まれており、物理的に油膜を落とすのに高い効果を発揮します。
使い方はいたって簡単、ウエスなどに油膜落としをつけ、きれいになるまで磨くだけです。油膜が落ちると油膜落としの成分が水分を弾かなくため、根気強く擦りましょう。ボディと違いキズがつくことはまず考えられないので、とにかく力を入れてゴシゴシ磨きます。
撥水ワイパーでなければ、このときワイパーブレードの油膜を落とすとより効果が高まります。
油膜を落とした後は流水で、油膜落としの成分を洗い流しましょう。十分な水をかけることやしっかりと水分を拭き取るのはボディ洗浄のときと同じですが、拭き取りで再度油膜をつけないようウエスの状態にも注意が必要です。
油膜を落とす一連の流れは、ガラスコーティングを施工する前の下地処理としても有効です。しっかりした下地処理をすることでコーティングが定着しやすくなりますが、前述のとおりコーティングの劣化も油膜の原因になります。コーティングは塗り重ねせず、施工の度に油膜もあわせてきれいに落としましょう。
まとめ
車のフロントガラスに油膜がつくことにより視界が悪化することで、安全な運転の大きな妨げになります。安全な走行のためには定期的に油膜を落とし、視界をクリアにしておかなければなりません。
油膜落としの方法はケミカルを使って擦るだけですが、頑固な油膜は相当擦らないと落とすことができません。
プロに油膜落としを依頼すれば、自分で作業をするよりずっときれいに仕上がります。油膜を落としたところへコーティングを施工したり、ボディ洗浄と一緒に油膜落としをしてくれたりと、プラスアルファのサービスで愛車を美しくすることも可能です。
そのため油膜落としは、技術力のあるプロに依頼することをおすすめします。