購入したばかりの車は表面に光沢や艶があるため、しっとりとした質感や輝きが車の魅力を倍増させています。しかし使用するうちに光沢が減り、見た目もはっきりと変わってしまいます。

その理由や艶を出す方法、出した艶を保つ方法などを詳しく見ていきましょう。

車の艶が低下する原因とは

車の艶や光沢は様々な原因で褪せてしまいます。屋外で使用する以上やむを得ないものばかりですが、それぞれどのようなものなのでしょうか。

・紫外線による塗装面の劣化

ボディの艶が低下する大きな理由のひとつに、塗装面が紫外線で劣化することが挙げられます。

車は常に日光を浴びており、同時に日光に含まれる紫外線の影響を受け続けています。長期間にわたり紫外線を浴び続けていると塗装面を傷めてしまい、特に赤や黄色など彩度の強い色が褪せやすいという特徴があります。

これは塗装面の分子バランスが乱れることにより生じるもので、多かれ少なかれどんなボディカラーでも劣化は起こります。劣化が進むと表面の滑らかさを失ってしまい、その結果艶や光沢もなくなってしまうのです。

・酸性雨で光沢が低下する

車のボディは雨風にさらされており、特に酸性雨の影響で塗装を傷めることもあります。

表面に付いた空気中のミネラル成分が酸性雨に反応し、そのまま乾くとイオンデポジットというシミの原因になります。イオンデポジットを放置していると、やがて塗装面自体を傷めるウォータースポットになることもあります。

ウォータースポットは洗車で落とすことができず、最終的には研磨でしか除去できなくなります。この過程で塗装を傷めるのはもちろん、結果として艶や光沢をなくしてしまいます。

・いわゆる洗車キズ

車のボディ表面は、均等に塗装されているために艶や光沢を発生しています。擦ったりぶつけたりしてボディにキズが付くと、その部分には艶がなくなります。

洗車を繰り返すと細かい洗車キズが少しずつ増え、ボディ表面に見えない凹凸が生じてしまいます。この凹凸も艶や光沢をなくす原因となり、年式の古いモデルほど色褪せて見えることもそれを表れといえます。

・ワックス成分が塗装面の光沢を低下させることも

ワックスで艶出しをしている車では、そのワックス成分がかえって光沢をなくしていることもあります。

ワックスは主成分であるカルナバ蝋が塗装面に油脂の被膜を作り、その被膜が艶や光沢を出しています。しかし排ガスや花粉をはじめとした有機系の汚れが付着しやすいというデメリットがあり、汚れが付いたワックスが結果としてボディの艶を奪ってしまうことになるのです。

車の艶を出すにはどんな方法があるか

車の艶を出す方法としては従来ワックスがけが中心でしたが、最近ではコーティングが主流を占めています。

コーティングはDIYで施工する方法と専門業者に依頼する方法とがあり、DIYでは洗車→シミ取り→研磨→コーティング施工の手順を踏みます。

洗車やシミ取りは一般的な洗車のときと変わりませんが、汚れ成分が残ってしまうと一緒にコーティング層へ閉じ込められてしまいます。

しっかりと汚れを落とし、シャンプー成分を洗い流しましょう。必要な場合はボディを研磨しますが、研磨が必要な状態であればプロに依頼することをおすすめします。

コーティング剤を塗る際は、なるべく均一になるよう注意しましょう。特にガラスコーティングは、ムラになると修復が困難です。

DIYで行うコーティング加工はほかにも注意点があるため、できれば施工費用や時間を惜しまず専門業者に依頼する方が仕上がりもきれいです。

車の艶を持続させる方法

車の艶や光沢を持続させる方法はそのまま、施工したワックスやコーティングの効果を持続させる方法と言い換えることができます。

具体的には。こまめな洗車やキズの付きやすい洗車方法を使わないなどの対応が必要となります。しかしワックスはカルナバ蝋をはじめとした油脂成分でできており、熱で融け出すため耐久性が低いという欠点があります。

そのためボディ表面は、コーティング加工がおすすめです。表面に形成される被膜がボディを保護するのはワックスと同様で、目視ではわからない塗装面の凹凸も平滑化するため艶や光沢が出るという点も共通します。

樹脂成分やガラス成分がワックスよりも耐久性があるため長期間にわたる効果が期待できます。塗装面にしっかりと定着するためワックスよりも被膜の寿命が長いという点がコーティングならではのメリットで、メンテナンス剤で定期的に手入れをすることで寿命はさらに延びます。

ワックス愛好家の中には「深みのある艶を出せるのはワックスだけ」と、コーティングをあまり好まない人がいるのも事実です。しかしコーティングもガラスのような光沢があり、ワックスに負けないほどの艶を出すものも登場しているので決して引けを取りません。

車の艶や光沢は「塗装面の凹凸を消す」ことでより鮮やかになり、表面を平滑に保てばいっそう長持ちさせることも可能です。

ワックスやコーティングなど、素材によって光沢感や艶感に多少の違いはあるものの、一部のマニアでなければ見分けられないかもしれません。

一般的な車オーナーはむしろ耐久性にこだわりたいところで、洗車の専門店なら下地処理もしっかりしているので、コーティング時の仕上がりも抜群です。

コーティングなら年1回程度の施工で十分なので、プロにコーティングを依頼して手軽に艶や光沢を楽しみましょう。