9月から10月を中心に上陸する台風は、強い雨風により甚大な被害を及ぼし、被害の範囲が車に広がることもあります。さほど被害が大きくないときも、車にとっては普段の雨とはまた違う影響を受けますが、具体的な内容や対策などを知りたいという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、台風の後洗車する際の注意点について、洗車した方がいい理由と併せ詳しく解説します。
台風が車に及ぼす影響や洗車をした方がいい理由
雨水には湿った砂埃や鉄粉などの汚れ成分が含まれており、洗車せずに放置するとウォータースポットやイオンデポジットにより塗装面を傷めます。最終的にはサビが発生しボディを腐食させることもあるので、通常の雨であっても車には大きな影響を及ぼします。
台風による降雨ではより汚れやすくなりますが、それは台風時の雨ならではの特徴があるという理由があります。
台風は海上の水蒸気が巻き上げられて発生するため、海水の塩分が大量に含まれています。塩分は鉄の天敵ともいえる存在で、車のボディには鉄が主に使われているため大きな影響があります。
また台風の上昇気流は、道などの地面に落ちている砂埃や枯れ葉なども上に巻き上げます。台風時の雨にはこれらの成分が全て車に降り注ぐことになります。
ボディ表面のキズに塩分や汚れ成分が入り込むと、水と反応してサビが発生します。除去せずそのままにしておくとサビは周辺に広がり、ボディに穴を開けることもあります。穴が開いたボディは強度が落ち、走行性能にも影響を及ぼすことにもなりかねません。
このためサビを防ぐにはもちろんですが、台風の雨で汚れた車はできるだけ早期に洗車するのが望ましいといえるでしょう。短期間で次の台風が来る予報の場合は無駄になる可能性もありますが、可能であれば台風が去って数日以内に洗車したいところです。
台風の後に洗車する際のチェックポイント
台風の後だからといって洗車の手順自体は通常と変わりませんが、最初の水洗いや最後のすすぎにはいつもより時間をかけるようにしましょう。
台風で運ばれてくる海水は、ボディの表面だけでなくすき間からあらゆる箇所に入り込んでいきます。そのためすき間までしっかりと洗い流すことが重要となり、ホース洗車であれば先を絞って水圧を上げ、すき間に十分な水をかけることも意識したいところです。
高圧洗浄機を使えばより効果的で、すき間の洗浄に加えボディ表面の頑固な汚れも水流で落とすことができます。コイン洗車場に行く時間をなかなか確保できない人は、家庭用の高圧洗浄機でも十分な効果が見込めます。
しかし台風後に洗車をする場合は、ガソリンスタンドなどにあるゲート型の洗車機の使用を避けましょう。事前の水洗いが不十分で洗車キズをつける原因になります。手洗いをする際もキズをつけないよう、たっぷりと水をかけます。
水洗いをして優しくスポンジ洗いをした後はシャンプー成分を洗い流しますが、このときも普段より入念に水を流しましょう。
台風の後洗車する際のポイントとしては、下回りの汚れも十分に洗い流すという点があります。海辺や雪道を走行した後と同様、路面の塩分が普段より多く付着するためです。このときも高圧洗浄機が活躍し、洗浄効果もより高まります。
またホースのやわらかい水流で構いませんが、ドアの開口部や給油口の中、ボンネットなども開け、水洗いできる箇所は隅々まで洗うとより効果的です。
台風の後洗車をしたらコーティングで保護しよう
台風に含まれる塩分をきれいに洗浄したら、再度台風が来ても被害を最小限に食い止めるための対策もとっておきましょう。
車の保護といえばボディコーティングを真っ先に思い付くかもしれませんが、下回りのコーティングとしてアンダーコートもあります。
海沿いや雪国在住の人は施工しましょうと謳うサイトもありますが、新車から1年で下回りがサビだらけになるモデルもある ため、「可能な限り」ではなく「必ず」アンダーコートをしておきましょう。
アンダーコートはスプレー式のものがカー用品店やホームセンターなどで販売されており、自分で施工することができます。整備工場でも2万円程度 で施工してもらえるので、車検点検などで入庫するついでに依頼することができます。
もちろん洗車やボディコーティングと同時に依頼すればより高い効果が望めるので、できれば洗車の専門店に依頼することをおすすめします。
まとめ
台風の雨水には普段より多くの塩分が含まれており、ボディを傷める可能性がより高まります。そのため早めに洗車をして、台風の影響を最小限に食い止めておきたいところです。
事前の対策としては、ボディへのコーティング施工だけでなく、普段あまり気にしない下回りのアンダーコートも忘れてはいけません。
アンダーコーティングのスプレーはカー用品店やホームセンターなどで販売されており、DIYで施工することができます。整備工場でも比較的安い料金で施工してくれますが、整備工場でもスプレーを使用するところが多いため、効果を発揮させるためには定期的な施工をしなければなりません
洗車やコーティングの専門店であれば、ボディのコーティングもアンダーコートも、他で施工する場合と圧倒的に耐久性が違います。事前の入念な洗浄や乾燥・下地処理もしっかり対応してもらえるので、台風の後は洗車のプロに一連の対応を任せてみることをおすすめします。