乗り物酔いがひどいと希に嘔吐する場合があるため、車酔いいしやすい人にとって長時間のドライブは苦痛に感じることもあるのではないでしょうか。
運転手自身が嘔吐することは滅多にないかと思われますが、同乗者の誰かが嘔吐する機会を想定し、対処法はあらかじめ確認しておきたいところです。
この記事では緊急時の対応や掃除のコツなど、車内で嘔吐してしまったときの対処法をご紹介します。
車内で嘔吐したときの緊急対応
車の中で誰かが嘔吐したとき、第一にしなければならないのは嘔吐した人の安全確保です。高速道路などどうしても走行中に停車できない場合を除き、速やかに安全な場所に停車させましょう。
吐いてしまった人を休ませる
吐しゃ物の臭いで、他の乗員が吐き気を催すことも考えられます。本人も再度嘔吐する可能性があるため、停車後は本人を外に出して症状が落ち着くまで安静にさせます。このとき水などは飲ませず、口をゆすぐ程度にしましょう。
車外に出られない場合や外が危険な場合は、車の窓を開け空気の流れをよくします。吐いた本人を車外で休ませる前も、他の乗員が発症しないよう直ちに窓を開けるようにしましょう。いずれにせよ、一刻一秒を争う対応が必要です。
シートについて吐しゃ物を取り除く
嘔吐した人の症状が落ち着いたら、緊急的な車内清掃を行い、可能な限り吐しゃ物の臭いを落としましょう。
はじめに、シート上の吐しゃ物をティッシュペーパーで取り除きます。この際シート生地や縫い目に染みこむと後の消臭が困難になるので、吐しゃ物をつまみ取るようにしたり、平らなものですくい取るようにしたりして取り除くことが重要なポイントです。
吐しゃ物をあらかた取り除いたら、固く絞った雑巾を使い水拭きします。雑巾や水を用意できない場合は、除菌シートやウエットティッシュでもやむを得ません。このときも、臭いがこびりつかないよう、ゴシゴシこすらないことを意識しましょう。
これらの作業時は、ウイルス感染を防ぐためマスクや手袋を着用しましょう。手袋がなければ、スーパーの買い物袋で代用するのもひとつの方法です。
消毒用のアルコールスプレーや消臭スプレーを常備している場合は、嘔吐された場所にスプレーをして簡易的な対応をしましょう。ただし本革シートの場合アルコールは厳禁なので、アルコール成分が含まれないものを使用しなければなりません。
外出中に本格的な掃除をするのは難しいので、あくまでも一時しのぎです。帰宅したら改めて、掃除や除菌をする必要があります。
車内で嘔吐した後は徹底的なクリーニングが必須
嘔吐した際の拭き取りやスプレーは緊急時の対応であり、帰宅後に改めて車内掃除を行い、吐しゃ物の臭いを徹底的に除去しなければなりません。
弱アルカリ性の重曹水は、汚れを分散させたり洗浄したりする効果があります。また脂肪酸を中和して除去する作用もあり、脂肪分が含まれる吐しゃ物の掃除に適しています。
そのため布製シートの掃除は重曹水による水拭きを行いますが、本革シートの場合は革を傷める原因になるため重曹水を使ってはいけません。ここでは布製シートに限定して、掃除方法をご紹介します。
掃除の際に用意するものは、
バケツ
ゴム手袋
重曹150g
お湯3L
雑巾数枚
などです。準備ができたらバケツにお湯を入れ、そこに重曹を溶かして重曹水を作ります。
ゴム手袋をはめ、重曹水に漬けた雑巾をゆるく絞って、残った吐しゃ物を拭き取りましょう。次に重曹水にひたした別の雑巾をゆるく絞り、シートに押しつけるような感じで重曹水を染みこませます。シートクッションや背もたれについた臭い成分まで、しっかりと重曹水を行き渡らせることを意識しましょう。
その後乾いた雑巾を使い、吐しゃ物の臭いが取れているかを確認しながら、染みこませた水分を吸い取ります。シートが濡れたままでは雑菌が繁殖して、再び悪臭を発生させる原因となります。窓を開けて換気をよくし、1日程度しっかりと乾燥させるようにしましょう。
もし乾いた後も臭いが残っていれば、再度同じ手順で掃除を繰り返します。しかしどんな臭いでも、抜本的な臭い対策は非常に困難です。できれば早めに、プロに車内掃除を依頼して臭いの元を絶ちましょう。
まとめ
密閉される車内空間では、人によっては芳香剤の匂いさえ不快に感じることもあります。車内で嘔吐した後の臭いはその比ではないため、吐いた本人の安全が確保されたら速やかな対応をして臭いを取り除かなければなりません。もちろん帰宅した後は、しっかりと掃除をしてや臭いの原因を徹底的に除去する必要があります。
車内は自分で掃除することも可能ですが、車内清掃の質は洗車のプロにかないません。一度ついた臭いはなかなか取れなくなるため、臭い対策として車内清掃をする場合はできるだけプロの車内クリーニングを依頼しましょう。