目に見えない紫外線は車の塗装や樹脂部分に悪影響を及ぼします。
きれいなボディを長く保つにはコーティングが欠かせません。
しかし、コーティングは種類が多くて何を使ったら有効なのか迷うところ。
紫外線の特徴やボディを保護するためのコーティングについて解説します。
車の塗装に影響を及ぼす紫外線とは?
虹の色は一般的に7色といわれていますね。
外側から赤、橙、黄、緑、青、藍、紫。
虹が見えるのは大気中の小さな水滴が太陽光を屈折や反射させるから。
この大まかな7色は目に見えることから可視光線と呼ばれています。
しかし、太陽光に含まれる光線は可視光線だけではなく、他にもあるのです。
その代表格が赤外線と紫外線。
可視光線の赤より外側にあるのが赤外線。
赤の外にあるので、この名前が付けられました。
紫外線も同じ。
紫の外側なので、紫外線。
これらは目に見えないことから不可視光線と呼ばれています。
赤外線の特徴は波長で物質に振動を与え、熱エネルギーを作り出すこと。
けっして熱を放射しているわけではありません。
紫外線の特徴は赤外線よりもやや複雑で、物質に化学的な作用を与えます。
人体にも影響しますが、車の場合、塗装の分子構造を変化させてしまう作用があります。
もちろん、少しばかり紫外線を浴びたぐらいでは変化しません。
しかし紫外線は季節に関係なく降り注ぐ不可視光線。
長く浴び続けた塗装面はやがて色褪せ、ひび割れ、剥がれなどが発生。
ボディは見るも無惨な姿となってしまいます。
紫外線から愛車の塗装を守る方法
車の塗装を紫外線から保護する最善策はなるべく紫外線に当てないことです。
屋内駐車がベストですが、やはり物理的な条件から誰でもできるわけではありません。
自宅の屋外駐車場であれば、屋根をつけるだけで紫外線軽減の効果があります。
しかし屋外で屋根をつけるスペースがなく、また共有の駐車場を借りているとそれも不可能。
紫外線をカットするボディカバーは効果がありますが、デメリットもあります。
駐車場でいちいちカバーをかけたり開けたり、たたんで収納したり、と面倒ですね。
それに走行中は必ず紫外線に晒されるので、駐車中しか効果がありません。
駐車中でも走行中でも、紫外線の悪影響を軽減する手段は塗装面をコーティングすること。
紫外線が塗装の分子構造を変化させるのは空気中の酸素と結合するから。
塗装面に被膜(コーティング)を張れば、紫外線と酸素が結合する割合を減らすことができます。
でも、市販されているコーティング剤は数が多く、どれが有効なのか迷ってしまう人も多いハズ。
間違ったコーティング選びをすると、紫外線の悪影響だけでなく車を汚すことにもなります。
紫外線対策は市販コーティング剤でも大丈夫?
もっとも手軽なのは市販されているワックスやポリマー系のコーティング剤。
DIYで塗装面に被膜を作ることができるので、紫外線対策になります。
安価なことも市販コーティング剤のメリットですが、デメリットもあります。
そのひとつが手間。
最近はいろいろなコーティング剤があり、洗車後に吹き付けるだけのタイプもありますね。
しかし、どれほど簡単でも洗車で汚れを残すと被膜が閉じ込めてしまいます。
したがって市販コーティング剤を使用する時は洗車を隅々まで、しっかり行う必要があります。
もうひとつのデメリットは樹脂性、つまり油分が主原料であること。
形成される被膜は柔らかく、同じ油分を含んだ汚れが付着しやすい特性を持っています。
市販コーティング剤の効果継続期間は3〜6ヶ月。
つねに洗車していてもコーティング剤が薄くなったら再施工しなければなりません。
その際、洗車だけでなく汚れたコーティング剤の剥離も必要です。
塗装を紫外線から守るため、とはいえ、最低でも半年に1回のこの作業、大変ですね。
ガラスコーティングが紫外線に強い理由
コーティング剤には無機質で被膜効果が長持ちするタイプもあります。
それがシロキサン含有のガラスコーティング。
主成分のシロキサンはガラスの原料となるケイ素と酸素が結合した物質。
透明度が高く、硬い被膜を作ることが特徴です。
また効果の持続時間が一般的に約3年と長いことも大きなメリット。
ガラスコーティングの溶剤も市販されています。
しかし、この溶剤は表面硬化が早いため、塗布にはコツが必要。
均一に塗れなかったり、塗布を中断したりするとムラができてしまいます。
塗布を失敗すると拭き取りができないため、剥離させなければなりません。
DIYでガラスコーティングを施工するのはかなり困難な作業ですね。
もちろん、ガラスコーティングを失敗の不安なく施工する方法はあります。
それはプロに任せること。
専門業者であれば高いスキルと豊富な知識、専用の道具や溶剤があります。
プロに任せるメリットはガラスコーティングの確実な仕上がりだけではありません。
コーティングする際の面倒な作業、塗装面の下処理を徹底的に行うこともそのひとつ。
塗装面を隅々まで磨き、新車に近い色を復活させます。
ガラスコーティングが紫外線に強い理由のひとつは塗装面との固着度が高いこと。
樹脂系コーティング剤のように洗車や雨で流れ落ちることがありません。
固い被膜が紫外線と酸素の結合を極端に減らし、塗装面を長く保護します。
紫外線対策と艷やかな輝きをガラスコーティングで実現させ、快適なカーライフを送りましょう。