車のコーティングはボディの塗装面をコーティングによる被膜が覆い、直接の影響を防いでくれます。しかしコーティングも万能ではないため、効果を持続させるために避けたいこともあります。
今回は大きく5つを取り上げます。即座にコーティングを傷めるものばかりではありませんが、習慣づけないためにも、きちんと理解しておきましょう。
目次
洗車するとき井戸水は絶対に使わない
一般的に洗車時使用するのは水道水だと思われますが、井戸を掘っている家でも井戸水は洗車に使ってはいけません。
井戸水には、水道水よりもカルシウムや鉄分などのミネラル成分が多く含まれています。乾くと水分に含まれるミネラルが白く固まり、イオンデポジットというシミの原因になります。
白い斑点状のイオンデポジットは放置するとやがてウォータースポットに変化し、ボディ自体にダメージが及びます。ウォータースポットは研磨以外に除去方法がなく、ひどくなると研磨でも取れなくなってしまいます。
やむを得ず井戸水で洗車する場合は、水道水を使うとき以上に「ボディに水分を残さないこと」を意識しましょう。また、それでもイオンデポジットを作ってしまうかもしれないという点は覚悟した方がよいかもしれません。
ガソリンスタンドのブラシ洗車機は使用しない
コーティングを少しでも長持ちさせるにはこまめな洗車が必須ですが、その際洗車機の使用は極力避けましょう。
洗車機といっても、高圧洗浄水の水圧で汚れを吹き飛ばすものとゲート状のブラシ洗車機がありますが、使用を避けたいのは後者です。キズを付けないようブラシの素材も進化し続けていますが、高速で回転するブラシは多少なりとも必ず塗装面を削ります。
ブラシでついた細かい洗車キズは、研磨剤で磨かなければ復元できません。研磨のときはコーティングを剥がす必要があり、せっかくコーティングした意味がなくなってしまいます。
硬い被膜のガラスコーティングでも、キズが付くのはどうしても避けられません。コーティングをした後のメンテナンスとしては、ブラシ洗車機による洗車は不向きと言わざるを得ません。
毛ばたきや雑巾で拭いてもいけない
大企業の社用車などで運転手が黒のボディに毛ばたけをかけているシーンがありますが、コーティング加工したボディにそれをやってはいけません。
から拭きをしてはいけない理由は、ブラシ洗車機の場合とほぼ同じといえます。塗装面には見えない大きさの砂利も付着している場合があり、毛ばたきや雑巾で拭くと目の細かい紙やすりをかけたのと同じ状態になってしまいます。
別の素材を使っても、ボディのから拭きはキズの原因になります。コーティングならではの光沢感を保つためには、毛ばたきや雑巾を使ったから拭きは絶対にやめましょう。
コーティングの上にはワックスや撥水剤をかけない
コーティングもワックスも、ボディの塗装面に被膜を作るものですが、多くのコーティング剤がガラスなのに対し、ワックスは油脂成分が主です。
コーティングの上にワックスをかけると、油性の汚れが付きやすくなり、コーティングの効果が落ちてしまいます。またワックスには紫外線に弱いという弱点があり、かえってコーティング層を傷めてしまうこともあります。
コーティングの光沢とも違うワックスならではのしっとりとした艶感を好むカーマニアもいますが、ワックスに遜色ない艶の出るコーティング剤も登場しています。艶を追求する人は、そのようなコーティング剤を探すのも楽しみのひとつになるでしょう。
コーティングしたボディにコンパウンドは厳禁
コンパウンドは「研磨剤」という別名のとおり、ボディを磨くものです。キズが付いたり補修したりして表面がザラザラしているとき、目が粗いものから細かいものに変えながら磨くことで、下地を処理して塗装のノリをよくします。
どんなに目が細かいものでも、コンパウンドである以上必ず磨き成分が含まれています、コーティングしたボディにコンパウンドをかけるのはコーティングを剥がすことになるので、キズや汚れを落とす場合もコンパウンドを使用してはいけません。
やむを得ない場合は敢えてコーティングを剥がし、剥がした部分だけ再度コーティングするという方法もあるにはあります。しかし光沢や色合いが微妙に変わってしまうため、再コーティングはスキルの高い専門店に依頼しましょう。
まとめ
コーティングが形成する硬いガラス被膜がボディを保護し、汚れやキズから車を守ります。
高い効果を長期間保つためには、日頃のメンテナンスにも気を付ける必要がありますが、定期的な軽い水洗いでや施工店でのメンテナンスで事足りるため、それ以上の工程は敢えて必要としません。
必要以上に「洗車」することでかえってコーティングの効果が落ちてしまうことがあるため、ここで紹介した禁止事項は必ず守りましょう。
また車のコーティングは非常にデリケートです。手入れの仕方を間違えるとコーティングの寿命が低下したりボディを傷めたりしてしまうので、専門店にコーティングを依頼する際に受ける注意点はしっかり頭に入れておきましょう。
やむを得ない事情で一部分だけ再コーティングする場合は、繊細な色合わせが欠かせないため、そんなときも技術の高いコーティング専門店の出番です。コーティングに関することは、専門店に相談・依頼するのが安心です。