日本には噴火を繰り返している活火山があり、その近くに住んでいると火山灰が車に積もってしまうこともあります。
そのような場所に最近引っ越したばかりなどで対処法が分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、車に積もった火山灰の対処法について、火山灰が車に与える影響なども交えて説明します。
火山灰が車に与える影響
まず、火山灰は車にどんな影響を与えるのでしょうか。
火山灰の性質も踏まえながらみていきましょう。
車のボディ
火山灰は、角が尖っている粒子で非常に硬いので、車のボディやフロントガラスに当たれば傷が付いてしまいます。
そのうえ、火山灰は酸性なので、塗装面のサビや劣化の原因にもなってしまうのです。
エンジン内部
火山灰の中には、高熱に溶け出すという特徴を持つ「火山ガラス」や「鉱物結晶」と呼ばれる物質が含まれています。
これらが高温になるエンジン内部に入り込むと溶けてオイルフィルターのつまりを引き起こしてしまいます。
また、車のボディと同じように火山灰がエンジン内部に傷を付けてしまうことで、故障の原因になる可能性もあるのです。
車に火山灰が積もった状態で雨が降ったら
厄介なのが、火山灰が車に積もった状態で雨が降った場合です。
残念ながら雨で火山灰は流れてくれません。
火山灰に雨がかかると、火山灰の粒子の空洞の部分に水分が吸収されることでのり状に固まり、塗装面などにこびりついてしまうのです。
そうなると、除去作業がとても大変になってしまいます。
少しでも積もったらできるだけ早く除去するようにしましょう。
火山灰が車に積もった場合の洗車方法
火山灰の除去、洗車の方法としては「ブロアーやフェザーダスターで火山灰を除去」「大量の水で残った火山灰を洗い流す」「シャンプーで洗車」「クロスで拭く」といった流れでおこなうと良いでしょう。
(1)ブロアーやフェザーダスターで火山灰を除去
まず、ブロアーやフェザーダスターを使って、できる限り火山灰を除去します。
作業の前に、吸気口と電子部品を必ず密封しておきましょう。
ブロアーは風で吹き飛ばせて細かい部分の除去もしやすいので、とても便利です。
エンジンルームなどに入り込んだ火山灰もしっかり除去しましょう。
(2)大量の水で残った火山灰を洗い流す
ある程度の火山灰の除去できたら、大量の水を使って洗車します。
高圧洗浄機があれば作業しやすいですが、ホースでも十分です。
上からゆっくりと水をかけながら洗い流します。
このとき、布で擦るなどすると傷を付けてしまう可能性があるので、あくまで水だけで洗い流してください。
(3)シャンプーで洗車
水で洗い流したら、シャンプーで洗車します。
ここからは通常の手洗い洗車の段取りとほぼ一緒です。
バケツに水と洗剤を入れてしっかり泡立て、柔らかいスポンジやブラシで優しく洗い、洗剤が残らないようにキレイな水でしっかりすすぎましょう。
(4)クロスで拭く
洗車をした後は、クロス等を使って拭き取り作業をします。
強く擦らないように優しく拭き取りましょう。
汚れがひどければ洗車場等で洗車
上記の作業をしても塗装面がざらざらするなど、火山灰が落ちきってないと感じることもあります。
そういう場合は、ガソリンスタンドなどの洗車場で洗車をしてもらう方法もあります。
火山灰が車に積もるような状況ですから、洗車場に向かう際は道路の状況が運転に支障ないか確認しましょう。
火山灰によって道路が滑りやすくなるので注意が必要です。
上記の作業をすべてせずに洗車場に向かっても構いませんが、できるだけ火山灰は落としておいたほうが良いです。
運転に支障がないように、少なくともフロントガラスの火山灰だけでも自分で除去する必要があります。
火山灰を除去する際の注意点
火山灰の除去方法を間違うと車が傷だらけになるなど大変なことになってしまうので注意しましょう。
対処法として注意すべきなのは、主に以下の二つです。
ワイパーの使用
フロントガラスに火山灰が積もると運転ができないので、最初に取り除こうとする人が少なくありません。
それは良いのですが、その際にワイパーを使用してはいけません。
ワイパーを使えば簡単で早いようにも思うかもしれませんが、ワイパーの動きによって、火山灰の硬く細かい粒子がフロントガラスに引っ掻き傷をつけてしまうのです。
車にすぐ乗らないといけないような緊急時以外は、ワイパーの使用は避けましょう。
布などで拭き取るのも同じような結果になってしまいますので注意してください。
セルフ洗車機の使用
もう一つ注意すべきなのが、セルフ洗車機(コイン洗車機)の使用です。
セルフ洗車機を使用することがいけないわけではありません。
問題は順序です。
車に火山灰が積もったままの状態でいきなりセルフ洗車機を使用してしまうと、火山灰は落ちますが塗装面やフロントガラスが傷だらけになってしまう可能性が高いのです。
また、大量の火山灰が積もっていたら、洗車場が流れ落ちた火山灰だらけになってしまいます。
最近はブラシを使用せずに水だけで洗い流す洗車機もありますが、大量の火山灰を浴びた後は使用を避けたほうが良いかもしれません。
洗車場によってルールがあるので、それに従って使用しましょう。
セルフ洗車機を使用する場合は、事前に水で火山灰を洗い流してからのほうが車のボディに傷が付きにくく、周囲に迷惑をかけずに済みます。
車に火山灰が積もってしまったら、火山灰の除去は早急におこなうべきで、状況によっては非常に大変な作業となってしまいます。
自分では手に負えない状態になってしまったら、洗車専門店などのプロにお願いする方法もあります。
また、ガラスコーティングを施工しておくと車のボディを保護してくれ、火山灰も少しは落ちやすくなります。
完全に保護できるわけではありませんが、火山灰が直接塗装面などに付着してしまうよりはダメージは少ないです。
まだガラスコーティングを施工していない方で火山灰の心配がある地域にお住まいの方は、少しでも愛車を守るために早めの施工をおすすめします。