車のボディを保護するためには、コーティングを施工し被膜で塗装面を覆うのが効果的です。コーティング剤は様々な製品が市販されており、DIYで施工できるものも少なくありません。
しかしコーティング効果を引き出すためには表面にしっかりとした被膜を作る必要があるのですが、施工ムラがあるとうまく定着しません。自分で車のコーティングをする場合はどんな点に気を付けたらいいのか、失敗例や対処法も交え詳しく解説します。
車のコーティングでムラが生じやすくなる原因
コーティングで最も失敗しやすいポイントとしては、施工時のムラが挙げられます。
対処法をご紹介する前に、ムラになりやすい原因をおさらいしておきましょう。
・コーティングにムラや施工していな部分が発生する
コーティングの際はコーティング剤をなるべく均一に塗り広げる必要があり、塗り残しがあるとムラになる原因となります。
また十分な下地処理をして塗装面をきれいにしておかないと被膜の厚さが均一にならないので、これもまた施工ムラを発生させます。
施工ムラとは少し違いますが、コーティング剤を塗り忘れた部分は、他のパーツと発色が違います。ルーフやボンネットなどの広い部分と異なり、ドアハンドルやスポイラーの裏側などの目立ちにくい部分は塗り忘れが発生しやすいです。
特にドアミラーやフェンダー、A・Bピラーなどの部分は、左右それぞれにコーティング剤を塗らなければならないため、片方を塗り忘れることがあるかもしれません。
・コーティング剤の拭き取りが十分でない
コーティングの被膜を均一な厚さに仕上げるためには、コーティング成分をしっかりと拭き取らなければいけません。拭き残しがあると、光の当たり加減が変わり光沢ムラが生じます。
施工時は拭き残しがあってもわかりにくいのですが、乾いた跡が白くなると拭き取りが困難になります。ひととおり拭き取り作業を終えたら明るい場所でボディを目視し、完全に乾く前に再度拭き取りましょう。
乾燥が早いと対応が困難になるので、ボディが熱くなる晴れた日や夏場の施工時は特に気を付ける必要があります。
・夜間の結露でムラになることもある
コーティング剤によっても多少違いますが、コーティングが定着するまでは施工後数時間から半日程度かかります。
完全に硬化する前水分に触れるとコーティング被膜が不安定な状態になり、ムラになりやすいです。そのため、結露などが生じやすい夜間は注意しなければなりません。
暗くなるまで少しでも時間が経過するよう、夕方に作業を始めるのは極力避けたいところです。もし夜間の霧や朝露などでボディが濡れてしまったら、吸水性の高いクロスを使い早期に拭き取りましょう。
施工ムラができたときの対処はどうすればいいのか
コーティングが硬化した後に施工ムラを発見したら、ムラの部分に塗ったコーティングを剥がして再度塗り直し、ムラを解消できる場合があります。樹脂系のコーティング剤であれば、専用のクリーナーを使い比較的簡単に被膜を剥がすことが可能です。
クリーナーをスポンジやウエスに付け、少しずつ磨くような要領で剥がしましょう。剥離を終えたら再度洗車をして、クリーナーをきれいに落としてから再度施工します。
一方、被膜が硬いガラスコーティングの場合、剥がすのは樹脂系よりもずっと難しくなります。剥離に失敗した場合も対処も考えると、慎重さや高い施工技術も求められるため、DIY施工は極力避けましょう。
ムラを生じさせないコーティングの手順
コーティングを失敗しないためには手順や注意点を抑え、あらゆる工程で気を付けなければなりません。どんな点に注意すればいいのかを、いくつかご紹介します。
・コーティング剤を塗る順序はあらかじめ決めておく
コーティング剤の塗布や拭き取りの順序をあらかじめ段取りしておくと、施工もれや施工ムラを予防できます。
ルーフからボンネット・トランク・最後にフェンダーやドアなどの側面に塗っていく、というのがおすすめの順序です。
またコーティング剤の量が少ない場合、作業の後半で不足するためムラや施工もれになりやすいです。多く塗布しても効果は変わらず拭き取りが大変になるだけなので、作業前半での使いすぎには注意しましょう。
・施工日の天候に気を付ける
コーティングをしっかりボディへ定着させるためには、施工日の天候や時間にも注意しましょう。
可能であれば完全硬化まで余裕を持たせ、晴れが数日続くタイミングを狙えればより万全です。天気予報が的中しない場合も考え、屋根付きの場所や屋内など施工場所も検討したいところです。
また結露しやすい夜間を少なくするためにも、夕方の施工は避けましょう。
・乾燥時間は長めに
コーティングをしっかり定着させるためには、十分な乾燥時間を確保する必要があります。DIY施工ではさらに1カ月程度洗車を控えた方がよいと言われていますが、洗車しないことによるリスクもあります。
専門店では赤外線乾燥機などの機器を使用して、コーティングを強制乾燥させることができます。自然乾燥よりも短い時間でコーティングの硬化・定着が可能になるため、できれば専門店に依頼しましょう。
まとめ
車のコーティングは年々質が向上し、ボディ保護の機能が高まっています。その効果を十分発揮するためにはムラなく施工する必要がありますが、ガラスなどデリケートなコーティング剤はコツや技術が欠かせません。
コーティングの専門店に依頼すればムラなく施工してもらえることに加え、施工前のクリーニングもしっかり対応します。
よほどの事情がなければ、コーティングは専門店に依頼してはいかがでしょうか。