ガラス被膜がボディを保護するコーティングを施工した車は、基本的にメンテナンスフリーでシャンプー洗車は不要と言われています。しかしコーティングの機能を長持ちさせるために、シャンプー洗車は必須ということは意外に知られていません。
だからといってどんなシャンプーを使ってもよいというわけではなく、コーティング車では使うのを避けたいシャンプーもあります。この記事ではコーティング車に不向きやシャンプーや洗車時のチェックポイントなどを、改めて解説します。
コーティング車でもシャンプー洗車は必要
コーティングを施工した車は「水洗いだけで十分」と言われていますが、事実ではありません。コーティング車でも水洗いだけでは落ちない汚れが付着するので、シャンプー洗車は必須と考えておくべきでしょう。
カーシャンプーの主成分は界面活性剤で、ボディの汚れを浮き上がらせる作用があります。またシャンプーの泡を上手に使うことで、スポンジなどの摩擦が減り、洗車キズを大幅に減らすことが可能です。
では「コーティング車でシャンプー洗車は禁止」と言われるのはどのような理由があるのでしょうか。
コーティングの高性能をアピールするため
ガラスコーティングは、ガラスが作るコーティングの被膜が表面を覆うことで、ボディを保護する機能があります。平滑なコーティング層には汚れが付着しにくいため、水洗いで容易に落とせます。
しかしコーティング会社ではその効果を強調するがあまりシャンプーの必要性を表に出さず、中には雨水と一緒に汚れが流れ落ちると謳っているところもあるようです。
これがユーザーに誤解を与え、コーティング車にシャンプーを使ってはいけないという意見がはびこってしまいました。
カーシャンプーを使用することでシミになる可能性が高まる
シャンプー洗車では、シャンプー成分を乾燥させないことや成分を残さずすすぐことなどの注意点があります。これはコーティングであっても同じで、シャンプー成分はなるべく早く洗い流さなければなりません。
洗車の途中でボディが乾くと、シャンプー成分だけが残ってシミの原因となります。また水洗いで十分にシャンプー成分を落とさないとすすぎ不足となり、残ったシャンプー成分は次回の洗車でシミにつながることもあります。
コーティング車に使ってはいけないシャンプー
コーティング車であっても、車をきれいに保つためには定期的なシャンプー洗車が欠かせません。この際シャンプー選びでの注意点があり、製品によってはコーティングとの相性がよくないものがあることを知っておきましょう。
界面活性剤オンリーのいわゆる「普通のカーシャンプー」は、基本的に問題なく使えます。しかしコーティング車の場合は、その効果を阻害する成分が含まれるシャンプーが好ましくありません。
例えば、「クリーナー機能」「水アカ落とし効果」を謳っているカーシャンプーには注意が必要です。水アカやシミなど頑固な汚れに対してクリーナー成分は有効ですが、コーティング車でクリーナー機能のあるシャンプーを使うと、本来のコーティング機能を劣化させることがあります。
カーシャンプーの中には撥水機能のある商品もありますが、このようなシャンプーもコーティング車には向いていません。シャンプーに含まれるシリコンが撥水効果を出すというもので、撥水式のウインドウコーティング剤にシリコンが用いられるということからもこのことがわかります。
コーティングの撥水効果はあくまで被膜のガラス成分によるものなので、決してシリコンとの相性がよいとは言えません。かえって撥水効果が弱くなったり、最悪の場合はコーティング機能そのものが低下したりということもあります。
カー用品店でシャンプーを選ぶ場合は、表示をしっかりと見て必ず成分を確認しましょう。
コーティング車を洗う際はほかにも注意点がある
コーティング車でもシャンプー洗車が必要だということや、シャンプー選びに注意しなければならないことのほかにも、コーティング車を洗う際に気を付けたい点があります。
そのひとつに、洗車の頻度があります。車の使用条件は1台として同じものがないため一概には言えませんが、最低でも月に1回はシャンプー洗車をするくせを付けておきましょう。
だからといって、毎週洗うというのもコーティング被膜を早く劣化させてしまいます。またドアの隙間など見えない部分が、完全に乾燥しないうちに洗車で濡れてしまうということも考えられます。どうしても毎週洗車したい人は、隔週で水洗車とシャンプー洗車を行うなど洗車法を工夫することをおすすめします。
またコーティング車を洗った場合、その上にワックスをかけることは避けましょう。被膜の上にワックスがのることでコーティングの意味がなくなるだけでなく、場合によっては焼き付きや色褪せなど塗装を傷める可能性もあるからです。
まとめ
コーティングは車のボディを保護するという役割があり、その効果を最大限発揮して可能な限り長く持続させるためには、適切なシャンプー洗車が欠かせません。
その際、シャンプーに含まれる成分によってコーティングを傷めるものがあるため、シャンプー選びにも注意したいところです。もちろん頻度ややさしく洗うなど、一般的な洗車と同様気を付けたい点が数多くあります。
コーティングの効果を保ち適切に車を保護するためには、コーティング施工店からの説明を十分理解して、正しいメンテナンスをする必要があります。コーティングの効果が薄れたと感じた人や前回のコーティングを覚えていない人は、いっそのこと改めてコーティングを依頼するのがよいかもしれません。