みなさま、こんにちは！

カーケアセンターの栗原です。弊社には多くの欧州車ユーザーがご利用されています。BMW、ベンツ、ポルシェ、レンジローバー、フェラーリ、ランボルギーニなどなど・・・それらの、ご依頼のクルマの多くに共通する汚れがあります。それは「艶なく真っ黒に汚れたホイール」です。

欧州車のブレーキダストの多さは、道路環境の違いによるもの

洗車施工にやってくる欧州車のホイールは、かなりの確率で真っ黒に汚れています。そこに純水を使った高圧洗浄機を向けると黒い塊、黒い水が流れて出てきます。この黒の正体は、ブレーキダストです。

ブレーキダストは、減速時にブレーキパッドがブレーキディスクを押し止めようする際にお互いの表面が削れて発生し、ホイールに付着します。これはブレーキを使う以上必ず発生します。

なぜその中でも欧州車がその汚れが顕著なのでしょうか？

それは元々の交通事情、道路環境が異なることでブレーキの材質が異なるからです。

日本車は、曲がりくねっていたり、信号機の多さからストップ・アンド・ゴーなど低速域でのブレーキ使用率が高いです。またクルマの維持コストの観点から法定点検以外では整備することが少ないので耐久性を重視した耐摩耗性に優れた材質のNAO材（ノン・アスベスト・オーガニック）でのブレーキパッドを使用しています。メリットとしては先程の耐久性に優れているということと、ブレーキ鳴きとブレーキダストが少ないという点です。

それに対して欧州車は、速度無制限区間が存在するアウトバーン（高速道路）があったりと直線的な道作りかつ速度域が高い（郊外の一般道でも制限速度100km/hも珍しくない）ので絶対的な制動力が求められます。その為、材質が鉄繊維の含有量が多く含まれるのでブレーキダストが多く発生します。

ブレーキダストの洗い流し方

ブレーキダストは、ボディに付着する汚れと比べて基本的に落ちにくいです。まずは、できるだけ勢いのある高圧の水を吹きかけて可能な限りブレーキダストを落としてしまいましょう。公共の洗車場、もしくは弊社カーケアセンターであればより強力な高圧洗浄機を使って根気よく落としていきましょう。その分後の作業がラクになります。

この際に、カー用品店などで販売されているホイールクリーナーもしくは鉄粉取りを事前に吹きかけて置くとより落としやすくなります。これらは、鉄分に反応し溶かしていきます。先に適量満遍なく散布して少し時間を置いてから高圧洗浄機で洗い流すとより効果的です。

1つ注意点として散布する際にブレーキディスクにあまりかからないようにしましょう。大半のクルマのブレーキディスクは鉄製なので鉄粉取りが付着すると表面が侵蝕（サビ）してしまいます。

水で落とし切れるだけしっかりブレーキダストを落とした後は、ボディと同様にスポンジで泡立てた中性洗剤で優しく洗っていきましょう。ホイールスポークの角や裏側を見落としやすいので注意しましょう。

ホイールの内側は、ホイールのデザインやブレーキキャリパーの形状によっては手では洗いにくい場合もあります。その場合は、縦に長いホイールブラシや先に紹介した鉄粉取りを活用していきましょう。

この際に絶対に注意しなければならないのは、ボディ洗いとホイール洗いのバケツとスポンジは『必ず別にすること』です。何故かというとホイールに触れたスポンジは鉄粉が付着しています。なのでそのスポンジでボディを洗ってしまうとキズをつけてしまう恐れがあるからです。

バケツも同様です。可能であれば、洗剤の入った水とスポンジの汚れを落とす水も分けるとよりリスクを低減できます。

そして一通り洗えたら水でしっかり洗剤を落としていきましょう。少しでも落とし残しがあるとブレーキの熱であっという間にシミになってしまいます。水分も同様なので素早くしっかり拭き取っていきましょうね。

毎日乗られる方であれば、一週間に一度は洗車も兼ねてホイールをキレイにしておくと良いでしょう。あまり長期間放置しすぎるとホイール表面に定着してしまい、市販の鉄粉取り・ホイールクリーナーといった溶剤でもなかなか落とすのが困難になってしまいます。

ホイールをブレーキダストから守るには

1つはマメに洗車すること。
上で説明した通り洗車の間隔が長引くほどにボディ以上に汚れを落とすのが難しくなってきてしまう恐れがあります。高い頻度でクルマをドライブさせる、また週末だけでも高速やワインディングロードなどを走るようなクルマであれば週1で洗っておくと良いでしょう。

2つ目は、カーケアセンターといった専門業者に洗浄とコーティングを依頼する。
弊社カーケアセンターでは、全ての洗車メニューにホイール洗浄も含まれています。専門スタッフが素早く丁寧にホイールに付着した汚れを徹底的に落としていきます。
更にオプションメニューとしてホイールコーティング施工のご用意もございます。ホイールコーティングをすることでブレーキダストが付着・定着しにくくなり水の勢いで簡単に落とし切ることができます。

3つ目は、低ダストのブレーキディスク・ローターに交換する。
これは安全にも関わることなので、ディーラーもしくは専門店にて相談をし、最適な製品が見つかれば交換も1つの手段ではあります。

スーパーカー（下のランボルギーニ・アヴェンタドールSに装着されている）には、カーボンセラミックブレーキディスクが装着されていることが増えてきています。このディスクは、軽量で耐久性、制動力も兼ね備える高性能ですが、更にブレーキダストの発生が非常に少ないです。ただ非常に高価で、社外品というのも非常に少ないです。