車の傷を補修した部分だけコーティングを施工することは可能?
車は外にさらして使用している以上、傷が付くのは避けられません。また交通事故などでボディを破損した場合は、修理しないと乗り続けることができません。
従来のワックスに代わり、最近はコーティングをしている車も増えています。コーティングは硬い被膜がボディ表面を保護しますが、補修した部分には改めてコーティングをする必要があります。
この記事では再コーティングが必要な理由に加え、補修した部分だけコーティングすることができるのか、その際注意したい点も含め詳しく解説します。
傷の補修後にコーティングが必要な理由
車の傷を補修したら、もともとコーティングをしていない場合でも補修した部分には忘れずにコーティング加工をしましょう。特にもともとコーティングをしていた車の場合、補修後にコーティングをしないと劣化の度合いが違うため、長期的には補修跡がより目立ってしまいます。
新車時の塗装だけでなく、板金塗装をする場合も色塗装の上にクリア層を設けることでボディの表面を保護します。またクリア層自体が光沢を持つことから、車全体が美しい輝きを放つというメリットも生じます。
ボディの一部分を補修した場合は、クリア層だけが覆う部分とコーティングしている部分があるため、コーティングをしない部分は長期的に劣化が早まります。
劣化の度合いが違うと光沢や色彩が一部分だけ変わり、見た目にもよくありません。車の見た目は気にしないから再コーティングはしない、という人がいるかもしれませんが、売却して別の車に乗り換えることを考えたら、ボディ表面の傷みは極力避けたいところです。
また廃車するまで乗り潰す場合でも、サビによりボディを腐食させないために、再コーティングで表面を保護しておきましょう。
ボディの補修後は部分的な再コーティングも可能
先に述べたように、車のボディに付いた傷や凹みなどを補修したら、再コーティングをしてボディを保護しましょう。施工ムラをなくすためには車全体に再コーティングをするのが望ましいと言えますが、一部分だけ再コーティングをすることもできます。
再コーティングをする場合の注意点としては、補修した箇所より広い範囲をコーティングするという点が挙げられます。板金塗装で補修する際は跡が目立たないよう、周りと色やクリア層にぼかしをかけるのが一般的です。
しかしコーティングでぼかしを再現することはできないため、補修箇所が小さくてもドアやフェンダーなど、パーツをまるごと再コーティングする方が自然に仕上がります。
ただしどんなに注意しても、コーティングの質を完全に一致させることは不可能です。コーティング本来の効果を発揮させるためには、補修していない部分も含め、いったんコーティング全体を剥がしてコーティングし直すことが望ましいです。
油脂成分のワックスと違い、ボディ表面に被膜を形成するコーティングは、DIYで剥がすのが困難です。特にガラスコーティングの硬い被膜はケミカル製品で落とすことができず、物理的に剥がすしかありません。自分で無理に剥がそうとするとかえってボディを傷める原因にもなるので、専門業者に依頼するのが無難です。
もうひとつ注意したいのが、依頼していないのに板金修理と同時に再コーティングされる場合があるという点です。補修していない部分とはコーティング剤そのものが異なる場合が多く、再コーティングしないときと同様見た目に差が生じてしまいます。コーティングで効果的に保護するためには、質のばらつきはないにこしたことがありません。
これを避けるためには工場任せにしないことが重要ですが、だからといって自ら再コーティングをするというのも満足な質は保障できません。この点から考えても、補修後の再コーティングは業者に依頼しましょう。
もし再コーティングを面倒に感じるのであれば、カー用品店で簡単な傷消しシートやタッチアップペイントを購入してもよいでしょう。傷の程度が小さければ、敢えて補修をしなくてもすむことがあります。その場合は素人判断せず、補修の要否を業者に確認しておくことをおすすめします。
ボディを保護するという重要な役割を持つコーティングは、傷や凹みを補修した後も忘れずにしておきたいところです。コーティング本来の効果を発揮させるため、また見た目をきれいにするためには、多くの注意点があります。
様々なコーティング剤がある中、特に硬い被膜を作るガラスコーティングではより繊細な対応が必要です。しかし下地処理が難しいガラスコーティングはただでさえ高い施工技術が求められるのに加え、再コーティングの際はハードルがさらに高くなります。
補修後の再コーティングを専門店に依頼すれば、余計な手間を省いてボディを保護することができます。硬いガラスコーティングの被膜もしっかりと除去してもらえるので、場合によってはまるごと再コーティングするのも一考です。