車内に異臭の元があると、シートやトリムなどに臭いが付着して取れなくなります。
人の身体から発する汗も異臭の元のひとつ。
密閉された狭い車内で不快感を覚えると運転に悪影響を及ぼすこともあります。
車内に汗の臭いがしみついた場合の対処法について解説します。
汗が臭う原因とは?
汗腺から出る汗は一般的に無色透明(エクリン線から出る汗はやや乳白色)で無臭です。
でも、人によっては強い臭いを発することもありますよね。
理由は主にふたつ。
ひとつは皮膚に付着している常在菌が汗の養分を摂取して繁殖するため。
つまり常在菌の多い人ほど汗の臭いが強くなります。
もうひとつは発汗作用のメカニズムに関係しています。
通常、汗を作る分泌部から汗を汗腺に送る導管部において、汗のミネラルを吸収します。
しかし導管部でミネラルが吸収されないと成分が含まれたままなので臭いが発生します。
この汗の特徴はサラサラ状態ではなくややベトついていること。
疲れている時や体調不良の時にかきやすく、体温調節の役割もうまく働きません。
これらが原因で発生する臭いの主な成分は4つあります。
アンモニア、酢酸、イソ吉草酸、それから加齢臭の元といわれるノネナール。
イソ吉草酸って聞き慣れない言葉ですが、その臭いの代表格は誰でも知っているでしょう。
それは足の裏の臭い。
これらの臭いが車の中に充満している、と思ったら運転するのも腰が引けてしまいます。
車内の汗臭を取る手順
車に乗った時に汗臭いと感じたら、それはすでに汗臭が車内にしみついた証拠。
シートやトリム、シートベルトなどが汗臭の発生源です。
車内換気することが応急処置としての対処法ですが、これでは汗臭が取れません。
エアコンの吹き出し口に取り付ける消臭剤も一時的な効果。
やはり、元を絶たない限り汗臭が残ります。
そのために有効な対処法は車内清掃。
用意するのは掃除機や重曹、ウエスなど。
家庭にある清掃用具で十分、間に合います。
清掃する日は晴れて穏やかな風が吹いている時がベスト。
仕上げにドアを全開放し、爽やかな風を通せばすっきりした気分になります。
では、以下に清掃の仕方について説明します。
1. フロアマットは洗浄後に天日干し
汗臭は人が接するところだけではありません。
たとえばフロアマット。
汚れていると汗と一緒に車内に残った雑菌がフロアマットで繁殖している場合もあります。
フロアマットを車外に出して水で薄めた中性洗剤で洗いましょう。
その後で天日干し、しっかり乾かしてください。
生乾きの状態のまま車内に入れると、かえって不快な臭いになります。
2. 掃除機で吸い取る
次はもっとも汗臭が残るシートです。
ファブリック地は通気性が良い反面、汗が染み込むデメリットがあります。
シート内に溜まったホコリは雑菌の温床。
表面を軽く叩いてホコリを浮き上がらせ、それから掃除機で吸い取ってください。
ヘッドレスト部分はとくに汗をかきやすい場所。
取り外し可能な場合は外してから清掃する方が確実ですね。
3. 重曹で清掃する
重曹は弱アルカリ性。
汗臭の元になる酸性を分解する働きがあります。
重曹水の作り方は水100mlに対して5g、つまり5%が基本。
シートをじゃぶじゃぶ洗うわけではないので水500ml、重曹25gもあれば十分です。
きれいなウエスを重曹水に浸し、固く絞ってシートの表面を拭いてください。
シートベルトやヘッドレストなども重曹水で拭き取りましょう。
最後にドアやルーフなどのトリム類も拭き掃除。
重曹水はスプレーボトルに入れて使うこともできますが、注意点があります。
それは噴霧する際、本革シートやゴム部分、電子機器部分に吹き付けないこと。
必ずウエスに吹きつけてから使用してください。
なお、汚れた雑巾では逆に雑菌を繁殖させることになります。
カーショップでは掃除用ウエスが安く販売されています。
ウエスの表面が汚れたら、早めに新しいウエスに交換して清掃すれば、清潔感が保てます。
仕上げはドアを全開放。
車内の空気を入れ替えましょう。
車内クリーニングのプロに任せる
汗臭の対策はこまめに車内清掃すること。
とはいえ、毎日車を使い、清掃する時間がない人も多いハズ。
清掃する時間がある時に限って天気が悪かったり、なんてことも珍しくありません。
時間と手間を省くなら、プロに車内クリーニングを依頼するのも選択肢のひとつ。
メリットは専用の溶剤や機器を使用してDIYでは届かない隅々まで清掃してくれること。
また臭い対策も徹底して行ってくれます。
予算に応じて段階的にメニューを設定しているのもユーザーには嬉しいポイント。
忙しい時に最適な作業時間の短い内容から徹底的な洗浄まで行う内容まで幅広くあります。
またシートだけ、消臭だけといったオプションを用意しているところもあります。
車内クリーニングをしてくれるのはカーショップやディーラー、それから洗車専門業者など。
いくつかの業者を比べ、内容や予算に最適なところを選んでください。
汗臭のない爽やかな車内で、快適なカーライフを楽しみましょう。