最近の車は安全性が高まっているといわれます。
しかし、車は機械の塊なのでメンテナンスを怠れば安全性も低下します。
メンテナンスは日常、自分でできることもあります。
車のメンテナンスの必要性と何をすればいいのか、それを解説します。
車を自分でメンテナンスする必要性
車の部品には消耗品が数多く使われています。
それら消耗品が機能しなくなると運転に支障が出たり安全性が損なわれたりします。
たとえばブレーキフルード。
ブレーキを作動させるための大切な液体ですが、経年で劣化していきます。
劣化したブレーキフルードを使い続けると安全に止まることができません。
エンジンオイルや冷却水の劣化、不足も安全性に大きく関わる点。
運転に支障が生じる消耗品としてはワイパーブレードやタイヤ。
雨の日、フロントガラスに油膜を作ったり拭き取りが不十分だったりすると視界が悪くなります。
空気圧が不足すれば燃費効率が下がり、操縦性も安定しません。
しかし、これらの機能不全は日頃のメンテナンスで防げることばかり。
メンテナンスを直訳すると維持や保全といった意味になります。
車の整備は専門業者のプロに任せるのがベスト。
しかし車の状態を確認することはDIYでも可能です。
メンテナンスを難しく考えず、車の状態をチェックするという意味にとらえてください。
自分でメンテナンスする項目
自分でする車のメンテナンス、何をチェックすればいいのか分からないという人も多いでしょう。
またチェック項目が専門的になるとメンテナンス不可能な場合もあります。
まずはできる範囲からメンテナンスしましょう。
以下にDIYで最低限の必要性があるメンテナンスを記します。
◯ボンネット内
・ブレーキフルード
ボンネットを開けてブレーキフルードのリザーバ・タンク位置を確認してください。
フルードの液位がMAXとMINの間にあれば液量に問題はありません。
ただし茶色になって濁っていたら劣化の証拠。
早めに整備工場やディーラーなど修理のプロに相談してください。
・冷却水
最初にラジエター・リザーバ・タンクの位置を確認してください。
フルードの液位がFULLとLOWの間にあれば問題ありません。
ただし、著しく減っているようであれば液漏れしている恐れがあります。
このケースもプロに相談しましょう。
・バッテリー
バッテリー内部の液量がUPPERとLOWERの間にあることを確認します。
液位がLOWERの近く、または下回っていたら交換時期です。
・エンジンオイル
オイルゲージの位置を確認したら、ゲージを抜いてオイルを拭いてください。
きれいになったゲージを差し込み、もう一度抜いてオイルの量を確認します。
オイルの量がLとHの間にあれば正常値。
L側に減っていたら早めにオイル交換をしましょう。
◯タイヤ
・空気圧
タイヤの適正空気圧は運転席などのドアを開けたボディ側に表示されています。
空気の充填器はガソリンスタンドにあるので、ガソリンを入れる際、確認してください。
・溝
残溝は100円玉で確かめることができます。
100と書いてある方を自分に向けて溝に差し込んでください。
1までの深さであれば残溝は5mm、1の部分がはっきり見えると3mm程度。
3mmを超えたらそろそろ交換時期ですね。
・側面
タイヤの側面に傷があるとバーストの危険性が高くなります。
目視で傷がないことを確認してください。
ただし、多少のひび割れであれば問題ありません。
◯運転席
・ランプ類
ヘッドライトやスモールランプ、ウインカーランプなどがすべて点灯することを確認します。
ブレーキランプは壁を後ろにして安全な距離を保ち、ブレーキを踏みます。
バックミラーを見て左右が点灯していれば正常な状態です。
◯ウインドウウォッシャー液の向き
ワイパースイッチでウォッシャー液を出して、その方向を確かめます。
左右が適切な位置に飛んでいれば正常。
どちらかが出なかったり高低差があったりした場合は整備のプロに相談してください。
・ワイパーラバー
ワイパーを作動させ、拭き残しがないことを確認します。
ラバーは自分で交換できるのでカーショップで適合品を購入し、早めに交換しましょう。
これらのメンテナンスは自分で日常的にできることですが、毎日する必要はありません。
ただし長距離ドライブに出かける前や運転期間が開いた場合は必ず行いましょう。
難しいメンテナンスは専門業者に任せる
車のメンテナンスは、自分で確認や交換ができないものもあります。
代表的な例はブレーキパッド。
ブレーキを踏んで効きが甘いな、と思っても自分で交換するのは困難です。
経年劣化するファンベルトやエアコンガスの補充も無理。
自分でする日常的なメンテナンスだけでは車の正常な状態を長く維持できません。
安全な運転をするためには専門業者によるメンテナンスが必要です。
民間の整備工場やディーラーであれば定期的なメンテナンスを行ってくれます。
消耗品も早めに交換時期を教えてくれるので、故障などのトラブルに遭遇するリスクが減ります。
プロによるメンテナンスなんて車検だけで十分、と考えている人もいるはず。
しかし車検はあくまで公道を走るための保安基準に適していることを確認するための制度。
安全に走るための制度ではありません。
自家用車は1年ごとの法定点検が定められています。
しかし走行距離の長い車や10年以上経過した車は消耗品の限界が多くなります。
半年に1回など、定期点検の期間を短くしてプロに診断してもらいましょう。
日常的なメンテナンスとプロによるチェックで安心のカーライフを送ってください。