主に車ボディのツヤや水弾きを良くするために利用されている、ガラスコーティングやカーワックス。
では、ガラスコーティング施工車のボディに、さらにカーワックスを使用しても良いのでしょうか。
ガラスコーティングやカーワックスのそれぞれの特徴と違いとともにみていきます。
ガラスコーティングの特徴
ガラスコーティングは、無機系溶剤のコーティング剤です。
無機系溶剤のガラスコーティングは、ガラス被膜を形成する特殊なコーティングで、専門業者による施工の場合、3〜5年と耐用年数が長いことが特徴です。
ガラスコーティング施工後は洗車のみでキレイな状態を保ちやすく、手入れの手間を省き、時間の短縮につながります。
無機系溶剤のコーティング剤のため、有機系汚れが付着しづらいのもメリットです。
最近増えている硬化型のガラスコーティングは、車の塗装面に形成されたコーティング被膜によって紫外線や熱による劣化も防止します。
また、硬いコーティング被膜が塗装面を覆うことで擦り傷もできにくくなるのです。
ガラスコーティングのデメリット
ガラスコーティングのデメリットをあえて挙げるなら、カーディーラーやプロの業者に依頼することになるため施工費用が高額になりがちなことです。
それから、種類が多いので、それぞれに適したものを選ぶのに少々悩んでしまうことです。
カーワックスの特徴
カーワックスは有機系溶剤で製造されたコーティング剤です。
熱帯地方に生息するカルナバ椰子の葉から採取される樹脂を原料にして造られています。
カーワックスは水弾きや防汚性能が良くなるのがメリットですが、これは塗装面に塗布することで油の膜ができることで起こるものです。
これは塗装面が汚れにくくなることにつながります。
また、塗布後は光沢が向上するので見た目も良くなります。
価格が安価なので手軽にできるのも嬉しいポイントです。
カーワックスのデメリット
カーワックスは前述のように原料が樹脂のため、太陽光の熱でワックスが溶けて剥がれ落ちてしまうというデメリットがあります。
持続性は約2週間前後で、カーワックスを使用して車をキレイな状態で保とうとすると最低でも2週間に1度のワックスがけが必要です。
つまり、ワックスがけに時間や手間がかかってしまい、手入れが大変ということです。
有機系溶剤なので、油汚れや花粉、黄砂などの有機系の汚れが付着しやすくもなります。
また、カーワックスを塗る際にボディが汚れていたら、汚れを塗装面上にカーワックスによって固めることになってしまいます。
カーワックスを繰り返し塗布すると、多重のワックスの膜が塗装面を覆うことになりますよね。
そこに汚れが付着した状態でワックスがけを重ねていくと、塗装面は汚れ混じりの油の膜に覆われることになります。
これが原因で光沢がどんどん低下して、くすんでしまうこともあるので注意が必要です。
カーワックスとガラスコーティングの違い
ガラスコーティング施工車とカーワックス施工車の洗車時間を比較すると、ガラスコーティングは年間24時間に対してカーワックスは年間96時間と言われています。
およそ4倍の違いがありますね。
光沢・汚れづらさ・塗装の劣化防止効果を比較しても、ガラスコーティングのほうがすべての効果が高くなります。
ガラスコーティングとカーワックスの併用は良いのか
以上のことから考えて、本題であるガラスコーティング施工車のボディにカーワックスを使用することが良いのか悪いのかと言うと、絶対に駄目なわけではありませんが、おすすめできないというのが結論となります。
ガラスコーティング後にワックスを塗ると、ガラスコーティングの効果を落としたり、耐久性を下げたりする可能性が高くなるためです。
汚れたままカーワックスを塗ってしまった際には、汚れがカーワックスで固まって落とせなくなるなど、せっかくのガラスコーティングを汚れで塞いでしまい、コーティングの効果が台無しになってしまいます。
また、ロウの成分が入っているカーワックスもあり、このようなものは日焼けしやすいので要注意です。
コーティングは熱に弱いので、このタイプのカーワックスを重ねて使用してしまうと日焼けによって耐久性が落ちてしまいます。
他にもさまざまな理由があるのですが、端的に言うと、ガラスコーティングの効果がカーワックスのデメリットによって駄目になってしまうのです。
ガラスコーティングから時間が経過して効果が薄れてきたと感じると、その分をカーワックスでカバーしようと考える方もいるでしょう。
一時的にはカーワックスによってツヤが戻り、水弾きなども良くなりますが、それから時間が経つとカーワックスを塗ってできた油膜が酸化し、汚れになって逆効果になってしまいます。
まとめ
ガラスコーティングの効果が落ちているということは、ガラスコーティングが劣化しているということです。
ガラスコーティングの効果は3〜5年と言われていますが、1年ほど経過すると徐々に劣化が目立ってくることもあります。
そのような場合は、カーワックスを上塗りするよりもガラスコーティングを施工した業者にメンテナンスをお願いするのがおすすめです。
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