車のボディを保護して見た目をキレイにしたり、汚れが付着するのを防いだり汚れを落としやすくしたりする効果があるガラスコーティング、愛車に施工している方も多いでしょう。
しかし時には、このガラスコーティングを除去しなければならないこともあります。
この記事では、ガラスコーティングの除去について、除去する理由や方法について説明します。
ガラスコーティングを除去するのはどんな場合なのか
車にガラスコーティングを施工すると、ツヤや光沢が良くなってキレイに見えるようになりますが、ある程度の時間が経つと効果が落ちはじめてしまいます。
そうすると、キレイに見えていた車のボディなどがくすんで見えるようになってしまうのです。
くすんだように見える原因はいくつかありますが、よくあるのがスケール汚れと呼ばれる白く硬い水アカ汚れです。
この汚れが付着すると、車のボディの表面がザラザラするのも特徴です。
こうなると、施工したガラスコーティングの被膜が劣化するなど何らかの影響を受けていると判断できます。
定期的なメンテナンスや洗車をすればガラスコーティングの効果を長く保てますが、キレイな状態に戻すにはガラスコーティングを除去して、再施工するのがおすすめです。
ガラスコーティング除去は、その他の手強い汚れを取るにも有効な方法なのです。
ガラスコーティングの除去方法
ガラスコーティングの被膜はカーワックスやポリマー加工と比較すると非常に硬いので、ポリッシャーなど表面を強力に洗浄するアイテムが必要です。
拭き取る程度で除去することはできないと考えた方が良いです。
ポリッシャーを使って除去する方法は、塗装面を傷付ける可能性があり、コーティングの除去だけではなく塗装し直さなければならなくなることもあるので注意が必要です。
塗装を削らないよう、コーティング被膜との境目を見極めるのが難しく、ポリッシャーを用意したり作業時間を確保したりする必要もあり、素人が自分でするのには大変な作業になります。
一般的な除去方法を紹介しますが、上記のことを踏まえて参考にしてください。
ボディ磨きで剥離する
コンパウンドを使用してポリッシャーで磨く方法です。
ガラスコーティング施工後の車のボディ表面は上から順に「撥水層・コーティング層・クリア塗装の層・カラー塗装の層」という状態になっています。
このボディ磨きでは、そのうちの「撥水層・コーティング層」のみを磨いて除去します。
この撥水層とコーティング層の厚みは数ミクロンという単位なのです。
除去すべき部分だけを見極めるのは、ボディ磨き初心者にはとても難しいでしょう。
場合によっては塗装まで剥がすことになってしまいます。
ケミカルを使用して除去する
研磨は難易度が高く、使用法を理解して使う技術に加え、使用する場所・時間などがないとポリッシャーを使うのは難しいので、ケミカルで除去したいと考える方が多いようです。
ケミカルで除去するとしたら、クリーナー系ケミカルかアルカリ性ケミカルを使用します。
ただし、ワックス系ならおおよそ除去可能ですが、ガラスコーティングは除去できない場合もあることを念頭に置く必要があります。
間違った除去方法
「これで落ちるのではないか」と考えたり、「これで剥がれているのだから良いのではないか」と思ったりして、間違った方法で除去しようとすると、ガラスコーティングだけでなく車の塗装面に傷を付けてしまうなど、目的とは違った結果になってしまう可能性もあるので注意しましょう。
洗車や脱脂などで剥がす
ガラスコーティングは、洗車や脱脂などでは剥がれません。
ワックスやポリマーコーティングは油なので被膜が非常に弱く、洗車などで落ちてしまうことがあります。
しかし、ガラスコーティングは前述した通り、ワックスやポリマーコーティングと比較すると非常に硬いので、被膜が洗車や脱脂程度では落ちるようなことはありません。
手で擦って剥がす
ガラスコーティングは、手で擦ると剥がれることもありますが、傷も付きます。
ガラスコーティングだけでなく、強く擦れば塗装面にも傷が付いてしまうのです。深く傷が付くと、塗装もともに剥がれてしまう可能性があるので注意しましょう。
強く洗車する
強く擦ったり強く圧力をかけたりして洗車しても、ガラスコーティングの被膜が落ちることはありません。
しかし、洗車の際には傷が付く可能性があるので、優しく洗車することを心がけましょう。
ガラスコーティング除去の注意点
ガラスコーティングを除去する際にはいくつか注意点がありますが、一つ見落としがちなことに触れておきます。
ガラスコーティングを落とす作業は塗装も落とすことに繋がるため、一度にコーティングを除去せず、範囲を区切るなどしながら丁寧に被膜を落とすことが大切です。
一気に落とそうとするとキレイに除去できたところと除去できていないところができることで、まだらな仕上がりになり、見栄えが悪くなってしまいます。
DIYは可能なのか
自分でできないことはありませんが、自分ですべてできる方は限られているでしょう。
手間もかかりますしガラスコーティングの被膜と塗装面の境目の見極めが難しいので、塗装面を傷付けることになり、塗り直しなどになることもあります。
ガラスコーティング専門店なら必要な道具はもちろん知識や技術も持っているので、こういったところに依頼するのが一番安心できます。
他店で施工したガラスコーティングでも対応してくれるところは多いので、相談してみると良いでしょう。