洗車の際は十分泡立てるようにと言われたり、コイン洗車に泡洗車のメニューがあったりと、泡は洗車において重要な役割を占めています。
泡洗車がよいということ自体はわかっていても、泡の役割や具体的な効果がわからないという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、上手な泡の作り方も含め、洗車に泡が必要な理由を詳しく解説します。
洗車時に泡が果たす役割とは
洗車において、泡が果たす役割は非常に重要です。泡を使わず流水だけで洗車することも可能ですが、泡の果たす役割をきちんと理解すれば、水だけで洗車しようとは思わなくなるはずです。
洗車時における泡の大きな役割としては、泡のシャンプー成分による洗浄機能と、空気層によるクッション効果のふたつがあります。
泡がボディ表面の汚れを浮かせるとともに、浮かび上がった汚れを包み込むという作用は、汚れを落とすカーシャンプーの効果をいっそう高めてくれます。また汚れを包み込むため、洗車中に汚れが再びボディに付くことも防ぐ効果が期待できます。
泡は空気を多く含むため、スポンジとボディをはさむクッション的役割も果たしています。シャンプー成分がボディ表面との摩擦を減らす効果も相まって、水洗車よりも格段にキズが付きにくいという点がメリットにはたらきます。
水だけで洗車すると泡のクッション効果がなく、気を付けて洗車したつもりでも泡洗車よりも洗車キズが付きやすくなるという点には注意が必要です。
洗車用の泡を作る方法
泡を使って洗車をする場合、そのメリットを十分に活かせるよう、できるだけ空気を含ませてふわふわとした泡を作りましょう。
水とカーシャンプーにより泡を作る方法としては、バケツで泡を作る方法や洗車スポンジに泡を作る方法、また専用のフォームガンで泡を発生させるものなどがあります。この中ではバケツを使う方法が、特別な道具や手間暇が不要なためおすすめです。
バケツに少量のカーシャンプーを入れ、そこに強い水流を当ててシャンプーを泡立たせます。バケツから少し離すと、水の勢いが増してより空気が含まれやすくなります。
洗車中に泡が減ってきたら、再び水を勢いよく注げば泡は復活します。多少失敗しても簡単に作り直すことができるため、シャンプーの量で泡の濃さを調整することも可能です。
・作った泡で上手に洗車しよう
泡を作る方法を先に紹介してしまいましたが、泡洗車を始める前には、たっぷりの流水で目立つ汚れや砂ボコリを洗い流しておきましょう。
ざっと水洗いをした後にバケツに作った泡をすくい取り、泡で表面に残った汚れを包み込むような意識で洗車します。この時に泡をふんわりとのせることが大事で、スポンジでゴシゴシ擦るのは洗車キズの原因となるため避けましょう。
泡と汚れがなじんできたら、泡ごとそっと取り除くようにひと擦りしましょう。スポンジには力を入れず、スポンジがつぶれない程度に優しく滑らせます。
汚れを落としたら、最初と同様たっぷりの流水で泡やシャンプー成分を洗い流します。成分が少しでも残るとイオンデポジットの原因になるため、しっかりとすすぎましょう。最後に、水滴を残さないようセーム革などで拭き取っておしまいです。
タイヤやホイールを洗う場合は、ボディの洗車が終わってから行います。ボディ洗浄に使ったスポンジは使用せず、足回り専用の洗車ブラシを使いましょう。
泡を使う洗車では特に、泡が乾燥しないよう直射日光が当たる場所や暑い中での洗車は避けましょう。洗車環境を自由に選べない人は、場合によっては洗車の専門業者に依頼することも検討したいところです。
泡洗車に効果的なシャンプーの選び方
洗車時に使用するカーシャンプーの選び方は洗車の手順によって多少違いがありますが、泡を有効に使った洗車をするためには、もちろん泡立ち重視、洗浄性能重視のシャンプー選びをしましょう。
シャンプー成分を使い分けることで得意とする汚れに対応できるものをはじめ、シャンプーに他の成分が含まれるものも少なくありません。特にワックス成分やコーティング成分を含むものは、洗車して拭き取るだけで簡易的なコーティング効果を発揮するものもあります。
しかし複数の機能を持つカーシャンプーは、洗浄成分だけのタイプに比べると洗車性能が低いと言われています。洗車の効果を高めるためには、洗浄性能の高さは欠かせない要素です。泡立ちのよさも専用シャンプーならではの長所といえ、泡洗車用にカーシャンプーを選ぶ際は洗浄性能を重視しましょう。
車のボディ表面は予想以上にデリケートなため、きれいな状態を保つには洗車キズを付かないよう気を付けなければなりません。有効な洗車方法として泡を使う洗車がありますが、泡の効果を十分発揮するためには洗車環境や泡立てなど注意点があります。
洗車を趣味とする人でもなければ、この手間をおっくうに感じる人も意外に多いのではないでしょうか。費用面もあり毎回というわけにはいかないかもしれませんが、泡の効果を最大限に活かしきれいに仕上げる洗車の専門家に依頼することも検討してはいかがでしょうか。