車の下回りはボディ以上に過酷な環境にあるためサビが発生しやすいのですが、それはなぜなのでしょうか。またサビを放置することによる影響は、ボディの場合とどこが違うのでしょうか。
今回は車の下回りにスポットを当て、サビの原因や影響、予防法を詳しく解説します。
車の下回りにサビが付く原因は
車の下回りにサビが生じる原因は、ボディが錆びる原因と同じです。表面のキズに付いた汚れや鉄分と水分が反応して錆びるというもので、放置しておくとサビが深く浸透したり範囲が広がったりします。
下回りは路面の小石が跳ねたり路面の雨水がかかったりするため、サビの発生や進行は驚くほど早いです。某メーカーの乗用車は、新車時には下回りが保護されていないモデルもあるため、1年後法定点検に出したらサビだらけだったという事実があります。
下回りのサビに直結しやすい環境としては、主に以下の2つがあります。
海辺のドライブで潮風の影響を受ける
潮風には海水の塩分が含まれているため、海の近くを走行する車や海辺に住んでいる人の車は、内陸部の車より錆びやすくなります。
ボディ表面は塗装やコーテイング剤などで保護されているため、下地が見えるほど大きなキズが付いていない限り直ちにサビが生じることは少ないです。しかし下回りは金属部分がむき出しになっていることもあり、ボディよりサビが発生しやすくなるとともに、進行が早くなってしまいます。
雪道を走って融雪剤の影響を受ける
雪道を走行したまま放置するのも、車の下回りが錆びる原因です。
冬期間の高速道路や主要道などでは路面の凍結を予防するため、また降った雪が積もらないように融雪剤がまかれます。融雪剤の主成分は塩化カルシウムや塩化ナトリウムなどで、含まれる塩分がサビの原因となります。
塩分が付着した後の下回りは、海の近くを走行した後と同様錆びやすくなり、放置するとサビが広がってしまいます。
下回りのサビを放置することによる影響は
車の下回りに付いたサビを放置すると、ボディのサビ以上に大きな影響を受けます。廃車まで乗り潰す場合も査定を受け買取に出す場合も、マイナスに作用するのは共通しています。それぞれの具体例をご紹介します。
車の故障やトラブルにつながる
車の下回りには、サスペンションやトランスミッション、ドライブシャフトなど、車本体の性能を左右するパーツが集まっています。
サビが生じることでパーツが破損するのはもちろんですが、場合によっては走行中に外れてしまうことも珍しくありません。
最悪の場合は交通事故など、自分だけでなく他人に迷惑をかけることにもつながるので、下回りにサビを作らないことは極めて重要です。
買取に出す際の査定額が下がる
車を買い取ってもらうとき、ボディについたキズやサビは査定額に大きく影響します。下回りは普段目に付かない部分ですが、下回りが錆びると走行性能や耐久性に直結するため、特に注意しなければなりません。
マフラーをはじめ装着されたパーツであれば、交換することも可能です。しかし車本体のサビは大きなマイナスポイントになるおそれもあります。
サビを放置した場合、車としての性能が下がるだけでなく、売却する際の査定においてもマイナス要素となることは避けられません。
下回りのサビの予防法は
下回りのサビを予防するためには、自分でできる対策やプロに任せた方がよい対策があります。
自分でできる予防法として最も簡単なのは、こまめな洗車で下回りの塩分を洗い流すことです。コイン洗車場の洗車ガンを使用するのに加え、下回り専用の洗車機がある洗車場を探すのもよいでしょう。
自宅で洗車する人は高圧洗浄機があると便利ですが、やむを得ずホースから水を出す場合は、ホースの先をつぶし少しでも水圧を上げるのがよいかもしれません。
海沿いや雪道を走行した後は、なるべく早く下回りの塩分を落としましょう。
サビ対策としては、洗ったあとの下回りに専用のコーテイングを施工するのも有効です。アンダーコートはボディコーテイングに含まれる成分と違い光沢を出すものではありませんが、キズやサビから下回りを強力に守ります。
市販されているアンダーコートは黒いものが一般的ですが、白や透明なものもあるので、好みに応じて色を選んでもよいでしょう。
下回りのコーテイングは自分でも施工でき、車検時に整備工場がしてくれる場合もあります。洗車の専門店に依頼することも可能で、自分や整備工場が行うよりも高い効果が期待できます。
車の下回りはボディ以上に錆びやすいだけでなく、及ぼすダメージは深刻です。しかし下回りのサビを気にする人は、さほど多くないのではないでしょうか。
下回りのサビを予防するには、こまめな洗浄だけでなくコーテイングによる保護がより効果的です。しかし自分で下回りを洗ったりコーテイングしたりというのは、なかなか難しいかもしれません。こんなときは、洗車の専門店に依頼するのがおすすめです。
専門店なら効果の高いコーテイングが期待できることに加え、洗車やボディのコーテイングも一緒に依頼できるというメリットがあります。洗車ついでに、下回りのコーテイングも専門店にお願いしましょう。