車のボディには砂やホコリなど様々な汚れが付着しますが、いったん付いてしまうと厄介なのが鳥のフンです。
屋外駐車場ではフンの被害が避けられませんが、屋根付きのカーポートでも、屋根にツバメの巣があるところにはフンが落ちることがあります。
鳥のフンによる汚れは、他の汚れとはまた違うデリケートな扱いが求められます。フンを取る際どのような点に気を付ければいいのか、フンの被害を未然に防ぐためのポイントも併せて解説します。
車に付く鳥のフンが与える影響
車のボディに鳥のフンが付いたときの影響を説明する前に、鳥のフンに含まれる成分をおさらいしておきましょう。
排泄物である鳥のフンには、尿酸やタンパク質、油分、ナトリウムやアンモニアなどの成分が含まれています。生息地によっては砂が多かったり、魚を食べる海辺の鳥では油分が多かったりという微妙な違いもあります。
鳥のフンに含まれる油分は車の塗装と非常になじみやすいという特徴があり、夏の日差しなどで多少柔らかくなった塗装面にフンが落ちると、わずかながら塗装を傷めてしまいます。
やがてフンが乾燥して縮むと、ナトリウムやアンモニアが塗装面にクレーターを作りますが、そのまま放置するとクレーターがボディを腐食させるため、塗装面からボディ自体を傷める場合もあります。
また多くの鳥は春から初夏にかけて繁殖期を迎えるとともに、栄養価の高いエサを確保できるようになるため、フンの被害は増える傾向が見られます。この時期は特に、こまめなチェックを怠らないようにしましょう。
鳥のフンが付いた場合の取り方
車に付くどの汚れにも共通する注意点ですが、鳥のフンは特に、付着しているのを見つけたらすぐに除去しましょう。乾燥の度合いにもよりますが、しっかりフンを湿らせた上で拭き取ります。
乾いたまま拭き取ろうとすると、かえって塗装面を傷めることにもなるので、水分が残っているフンであっても必ずウエットティッシュなどで湿らせるようにしましょう。完全に乾いてしまったフンの場合は、濡れ雑巾で水分を与えたりお湯を使ったりすると、より効果的です。
フンに水分を与えて拭き取るのはフロントやサイドのウインドウでも同じですが、フロントガラスのフンを取る際は、ウォッシャー液で無理に拭き取らないよう注意が必要です。
中途半端にワイパーを使うとフンが広がってしまうので、フンの除去は塗装面以上に気を遣い、ウエットティッシュや濡れ雑巾などできれいに落としましょう。
フンを拭き取った後は、塗装面やガラスをチェックしますが、フンによりシミができている場合は除去剤を使ってみます。この際、塗装面に影響するコンパウンドなどは極力使わないように気を付けましょう。
その後は全体を洗車し、わずかに残ったフンも流水できれいに洗い落としましょう。最後はボディに水分が残らないよう、きれいに水分を拭き取ります。
車に鳥のフンを付けないための対策
鳥のフンによる車への被害を防ぐためには、物理的にフンが車に付着しないようにすることが大前提となります。シャッター付きガレージがあれば言うことなしなのですが、カーポートのような屋根付き駐車場に停めるのもひとつの方法です。
いわゆる青空駐車場を使用している人は、ボディカバーをかけることでフンの被害を防ぐことができます。前述のカーポートに停めるときに、ボディカバーを併用してもいいかもしれません。
ただしボディカバーは、着脱時にキズを付けるリスクがあります。カーポートも鳥が入り込む隙があるためフンを落とす可能性は残り、屋根に鳥フンが溜まることもあるので、こまめなメンテナンスが必要になります。
フンが付くことをやむを得ないと割り切るのであれば、ボディ表面をコーティング加工するという方法があります。
塗装面の上にコーティング剤の皮膜が形成され、塗装面に直接汚れが付かなくなります。またフンが付いた際も、汚れが落としやすいというメリットがあります。
フンが付かないように対応できる環境がある人は限られているので、多くのユーザーはコーティング施工が現実的な対策と言えるでしょう。
まとめ
動物が落としたものだからと言って、鳥のフンが付いたまま放置しておくと、腐食をはじめボディを傷める原因になります。今回紹介した点に注意しながら、フンの付着を見つけたら早めに除去することをおすすめします。
フンが付かないようにする対策もいくつかありますが、コーティングは有効な手段のひとつです。市販品を購入しDIYで施工することも可能ですが、より万全なフン対策という点では、プロに確実な施工を依頼するのがいいかもしれません。
もちろんボディメンテナンスに手間をかけたくない人にとっても、プロへの施工依頼は十分なメリットがあります。コーティングだけでなく洗車やフンの除去も、高いスキルを持つプロに依頼してはいかがでしょうか。